フォロワー数急増…SNSを活用し新たなファン獲得
コロナの影響で2か月ほど休業をした三重県の鳥羽水族館に客足が戻ってきた。そこには、水族館の事を少しでも知ってもらいたいとスタッフが始めたSNSによる魅力の発信があった。
この記事の画像(24枚)三重県鳥羽市の鳥羽水族館。10月11日の日曜日、開館と同時に人だかりができる場所があった。
ラッコのメイちゃん。2足歩行することで話題を呼んでいる人気者だ。
水族館は、新型コロナの影響で2か月ほど休業。再開直後はなかなか人が戻ってこなかった。
それでも、秋に入りGoToキャンペーンや修学旅行の需要もあり、例年の8割ほどまでに戻ってきた。
休業期間中から鳥羽水族館が力を入れ始めたのがSNS。
水族館に来ることができない人に、少しでも魅力を知ってもらおうと、3月以来ほぼ毎日、動物たちの動画や写真をアップ。
ミルクをねだるバイカルアザラシの赤ちゃんや、2足歩行をするラッコのメイちゃんなどが話題を呼んだ。
担当者は、この日、7月に生まれたアシカの仲間オタリアの赤ちゃんの写真を撮影し、アップするものを選んでいた。
鳥羽水族館の担当者:
こうやっていつも見て「かわいいなぁ」と思いながら写真を選んでいます
今やフォロワー数12万人の人気アカウントに。
休館中は、客のいない館内で生き物たちを散歩させたことも。そうした日々の努力により、これまでのファンに加え、新しいファンの獲得もできた。
「まだショーには出せない」…デビューを目指す新人飼育員の奮闘
ステージでは、ショーの練習が行われていた。南アフリカオットセイの女の子と一緒に練習していた女性は、今年入社した1年目の飼育員。
新人飼育員:
お客さんに見られる仕事だと思っていたのに、それがなかったので。飼育員をやっている実感はなかったです
客のいない水族館。入社してしばらくはそんな状況だった。
その中で、生き物たちの世話をしながらショーの練習に励み、デビューできる日を待ち望んでいる。この日は、初めて動物を交えての練習だった。
先輩飼育員:
デビューするにはまだまだです。ちゃんと見せられるものでないと。鳥羽水族館のネームバリューがこれから彼女の肩に乗っていきますので
新人飼育員:
自分と動物が息が合わないと成功しないので、先輩からもしっかりノウハウを教えてもらって、最短でデビューをしたいと思います
デビューに向けてまだまだ練習の毎日だ。
「普段は外からしか見られないので」…人気のバックヤードツアーも再開
しばらく休止していた、バックヤードツアーも再開。
この日、行われていたのは、客が普段は入れない場所を巡る「うら側探検隊のスナメリツアー」(1人500円)。スナメリの水槽のバックヤードでその生態など解説を聞ける特別なツアーだ。
新型コロナの感染予防のため、探検ツアーは半年間休止していたが、9月から県内在住者に限って復活した。バックヤードからだと、目の前にスナメリが。
ガイド:
じっくり観察してみてください。呼吸をするために噴気孔がパカっと開くので
目の前で見られるのは、バックヤードならでは。
参加した男性:
すごく近くで見られて、良かったです
参加した女の子:
普段は外側からしか見られないので、楽しかったです
休業を余儀なくされた状況から半年、少しずつだが普段の水族館に戻りつつある。むしろ、休館中の努力で更にファンは増えたといえる。
水族館の担当者は「SNSを通じて、水族館だけでなく、鳥羽市や三重県の魅力をもっと知ってもらいたいし、もっと入館者を増やす努力をしていきたい」と話す。
鳥羽水族館は今年、ベビーラッシュで、アシカの仲間オタリアの赤ちゃんをはじめ、セイウチやバイカルアザラシの赤ちゃんを見る事ができる。
歩くラッコは、朝昼夕それぞれの食事タイムに見られる可能性が高いため、その時間を狙うのがおすすめだ。
(東海テレビ)