高校再編の第1期では、富山西、大門、伏木の3校が閉校になるとされました。この3校が選ばれた理由や今後の課題についてお伝えします。
■「第1期」のスケジュール
「第1期」は3年後の2029年度です。閉校となる3校は2029年度の募集が行われず、2030年度末つまり2031年3月に閉校となります。
現在の中学2年生が閉校する3校での最後の卒業生となり、また、現在の中学3年生にとっては、高校3年生になった時に1年生が入学してこないということになります。
つまり来年度の高校進学から影響が出はじめるということです。
■「第1期」再編のポイント
ポイントは大きく次の3つです。
1点目は県内を6つに分類したエリアごとの将来的な学校数の目安。
2点目は3年後の第1期に設置する5校と閉校とする3校の選定。
3点目が第2期に設置する中高一貫教育校として現在の高岡高校。
第3期に設置する大規模校として呉羽高校の敷地を活用するという方針です。
将来的な学校数の目安は今回初めて示されました。
これまでは県東部・県西部という大きなくくりで、現在34校ある全日制の県立高校を20校程度にすることが示されていました。
今回は交通アクセスを考慮して分類した県内6つのエリアごとの目安が示されました。
細かくみてみますと、3年後の第1期では、富山エリアと高岡・氷見・小矢部エリア、射水エリアで1校ずつ減らす方針となりました。
その中で閉校の対象となったのが、富山西、大門、伏木の3校です。
■3校が閉校対象となった理由
前提として、第1期については地域のバランスなどに配慮し、市や町に1校のみの県立高校については閉校の対象にしない方針がとられました。
例えば、上市高校や立山町の雄山高校は、第1期の対象から外れました。
確かに今回選ばれた3校、富山西は富山市、大門は射水市、伏木は高岡市と市内に高校が複数ありますね。
次の第2期、2033年度頃の再編では、市や町に1校のみの地域や小規模校も含めた再編となる見通しです。
そのなか、今回は通学の利便性や近年の志願状況、それから新たに設置する新時代ハイスクールと教育内容が重なっていないかなどを考慮して検討を進めたということです。
■富山エリア
今回第1期で校舎・敷地の活用が決まったのは、富山高校と富山商業高校です。
また呉羽高校は第3期で大規模校に活用されることになりました。
この3つの学校がある富山市中央部にはこのほか富山工業、富山中部、富山いずみ、富山西の4校がありますが、富山工業の教育内容は、第1期校と重なる部分が少ないということで閉校の対象とはなりませんでした。
残る3校で通学のしやすさをみてみますと…富山駅からの所要時間は、富山西が21分で最も長くなっています。
そして、直近5年の志願状況は、富山中部と富山西の普通科で倍率1を割っている状況です。
これらの観点を考慮し、富山西高校が閉校の対象となりました。
■射水エリアと高岡・氷見・小矢部エリア
射水エリアには3校あって今回小杉高校が第1期校への活用が決まりました。
残る大門高校と新湊高校の比較ですが、アクセス面では、大門がより最寄り駅から時間がかかる状況で志願状況は普通科でともに1倍前後です。
これらの観点から、大門が閉校の対象となりました。
そして、高岡・氷見・小矢部ですが、第1期・第2期の活用校と市内唯一の高校である氷見、石動は閉校の対象とはなりません。
また、高岡工芸は第1期校と教育内容が重なっていないということで閉校の対象から外れました。
残る3校では、伏木の国際交流科で直近5年の倍率が1を下回っており、伏木が閉校の 対象となりました。
■高校再編 今後進め方
教育委員会は22日示した方針案をパブリックコメントや意見交換会などを行った上で今年10月にとりまとめたい考えです。
そして、第1期の設置校については、学校規模や学科構成などについてプロジェクトチームを設けて検討を行い、来年中をめどにとりまとめたいとしています。
今後の議論の焦点は、多岐に渡りますがまずは、学校の名前がどうなるかではないでしょうか。
教育委員会は県立高校の名称の特徴や変遷などを踏まえて、
1 所在する地域がわかること
2 親しみやすくわかりやすいことに留意しながら検討するとしています。
一方で、県議会でも県民のアイデンティティに関わる問題だと指摘されているだけに、今後の議論に注目です。
また、第2期以降に閉校となる学校がどこになるかや、閉校とする高校の施設をどのように活用していくかも課題です。
さらには呉羽高校の敷地を活用する大規模校の建設費は、新築でおよそ160億円、一部改築で135億円、増築でおよそ120億円と示されました。
今後大規模校をどのように整備するかも焦点となりそうです。
最後に、これらの再編の背景にあるのが生徒数の減少です。
今年度の中学校卒業予定者数は8107人ですが、今回の再編計画の最終年度となる2038年には6010人まで減少する見込みで、高校が減るのは避けられません。
そのなかでも生徒が学びたい、行ってみたいと思う学校を創れるか今後の議論に注目です。
