2026年4月に国の「指定野菜」に登録されたブロッコリー。栄養価も高く、消費量が増えているのが指定の理由で、新たな追加は52年ぶりです。全国でも4番目の出荷量を誇る長野県内。産地の原村で農家おすすめの食べ方や期待の声を取材しました。
■標高が育む甘みとうまみ
7月10日午前6時前―。
大きく育った「ブロッコリー」が次々と収穫されていきます。
ここは、原村の農家、矢崎和樹さん(30)の畑です。矢崎さんは村内に15カ所、合わせて1haの畑で、ブロッコリーを育てています。
農業・矢崎和樹さん:
「今年のブロッコリーの出来は、今のところとても良い」
県内は全国4番目の出荷量で、諏訪と佐久地域が主な産地。高冷地をいかし、夏場が出荷のメインです。収穫は午前4時ごろから7時までの早朝に行い、新鮮なうちに出荷しています。
矢崎和樹さん:
「原村は標高が高い。朝と夜の寒暖差が非常に大きい。朝夜で冷える、日中暖かくなる。これを繰り返すことによって、甘みとうまみがブロッコリーに凝縮されています」
■出荷量2倍 購入量3倍に
ブロッコリーは1970年代に日本に広まったとされ、ビタミンやミネラルなどが豊富で、栄養価の高い食材です。
近年の健康志向の高まりなども背景に、家庭での消費も増えていて、1990年と2022年の比較では、出荷量が約2倍、1人当たりの購入量も3倍に増えています。
■52年ぶり「指定野菜」に
こうした背景から、ブロッコリーは2026年4月、農林水産省が定める「指定野菜」に追加登録されました。
「指定野菜」とは、国が「生活に欠かせない野菜」と認めたもので、キャベツやニンジン、タマネギなど、定番ともいえる野菜が登録されています。
ブロッコリーは15番目の登録で、追加されるのはじつに「52年ぶり」です。
JA信州諏訪 営農部・五味有さん:
「かなり日本でも消費が伸びているということで、国民の食になったということがあるので、生産地としては喜ばしいこと」
指定により「安定供給」が図られ、価格が著しく下がった場合、生産者は補償を受けられるようになります。
■農家が教える見分け方
矢崎さんはブロッコリーのおいしさをより多くの人に知ってもらいたいと、2025年から収穫体験を行っています。
記者も収穫体験―。
矢崎和樹さん:
「採り頃だと思います。花蕾(つぼみ)の色も良くて触ったときに締まっている。締まっている方が旬でおいしい」
(記者リポート)
「採れました。手に乗せてずっしりとした重みがあります」
矢崎和樹さん:
「多くの方がブロッコリーを手に取ることが多くなると思います。ブロッコリーがこんなにおいしかったんだと知っていただけたらうれしい」
■農家直伝絶品パスタ
ブロッコリーのことを知り尽くした矢崎さん夫婦におすすめの食べ方を3品、教えてもらいました。
矢崎和樹さん:
「ブロッコリーは油と合う食材でして、茎から房の部分まで余すことなく使える」
まずはパスタ料理。ブロッコリーは火が通りやすくなるよう細かく刻みます。
矢崎和樹さん:
「茎の部分、捨てる方いると思うが実は甘みがとてもある」
オリーブオイルをひいて熱したフライパンに、アンチョビと、みじん切りにしたニンニク、タマネギ、ブロッコリーを入れて炒め、お好みでチーズをふりかけます。最後にゆで上がったパスタとあえて、ニンニクとパセリ、炒めたパン粉を振りかければ完成です。
(記者リポート)
「「主な味付けが塩とアンチョビの塩味なので、ブロッコリー本来の甘み、うまみがしっかり伝わってきます」
■忙しい朝にサクッと一品
次は卵とブロッコリーの炒め物。
妻・真子さん:
「サクッとできるので忙しい朝によく作る料理」
ボウルに、卵、コンソメ、豆乳、塩・コショウを加えて混ぜ、フライパンで、軽く火を通します。
妻・真子さん:
「茎が太いと火が通りにくいので、細めに切って」
みじん切りにして炒めたニンニク、タマネギの中に、ブロッコリーを入れます。茎は、小さな角切りに。火が通ったら、炒めた卵を加え、サッと炒めたら完成です!
(記者リポート)
「ホクっとしたブロッコリーとトロっとした食感の卵が合わさってとてもおいしいです」
■おつまみにもピッタリ
おつまみにもピッタリな簡単メニューも。
切ったブロッコリーをホイルの上に乗せ、しょうゆ、みりん、酒を同じ割合でかけます。
妻・真子さん:
「ブロッコリーの房にかかるように、味が房にちゃんとつく」
グリルに入れて中火で約6分。好みの固さになるまで火が通ったら一度取り出し、マヨネーズと、千切りにしたショウガを上に。再び、グリルに入れて焦げ目が付いたら、ホイル焼きの完成です。
妻・真子さん:
「簡単で、(何を作るか)困ったときの1品になる。毎年、これを作るのを楽しみに6月を迎える。ただ、ゆでるだけでもおいしい。他の食材とサラダにしても邪魔しない。味がしっかりと染みる野菜なので、使い道がいっぱいある」
■高まる期待と今後の需要
栄養価も高く、食卓のテーブルに彩りを添えてくれるブロッコリー。関係者は「指定野菜」に加わったことで注目度が高まり、さらに需要が増えることを期待しています。
JA信州諏訪 営農部 五味有さん:
「今後、さらに購買意欲をそそっていただくという中で、生産する方もたくさん高品質なものを作りますので、さらに食べていただいて、生産を増やしていければと考えております」
