音楽とそばの融合です。長野と北海道の会社が共同開発した、その名も「ロッキンそば」。そばの栽培から製造まで、そばにロック音楽を聴かせ続けた、ユニークな商品です。

■ラーメンの会社?実は”そば”が主力

長野市にある食品会社、信陽食品。

信陽食品といえば―。

長野県民おなじみの即席ラーメン「ぽんちゃんラーメン」の製造会社です。

発売から60年以上がたつロングセラー商品。

このため、ラーメンのイメージが強い会社ですが、実はその前は、「そばの製粉業」が中心の会社でした。

今も、そばの製粉や製麺が主力で、売り上げのうちそばが7割を占めています。


■そば工場に流れるGLAYの「誘惑」

そしてそばの製造工場をよく見ると、巨大なスピーカーが―。

何を流しているのかというと―。

ロックバンド・GLAYの「誘惑」。

なぜでしょうか?

信陽食品・斉藤実会長:
「人間のみならず動物でも植物でも、いい音楽を聴かせると、とってもいい。それをなんとなく感じていたし、聞いていた」

■栽培~袋詰めまで全工程でロックを

実は、畑でそばを栽培している時から工場での製粉、袋詰めまで、すべての工程でロック音楽を聴かせながらそばを作っていたのです。

出来上がった商品。その名も「ROCKIN’SOBA(ロッキンそば)」です。

このそばの開発を提案したのは、北海道の会社でした。

ノースエレメンツ・殿木達郎社長:
「北海道士別市の農家、菊地さんって言うんですけど、長野にすごくすてきなおそばの製粉と製麺の工場をやられている信陽食品という会社がある。そこと取引しているので、とにかく行ってみてくださいというところから始まった」

■「音楽の力を」北海道の会社が提案

殿木社長はかつて音楽業界で働いていた経験があり、音楽の力を借りて農業を盛り上げようと考え、過去には、「ロッキンベジタブル」を企画したこともあります。

ノースエレメンツ・殿木達郎社長:
「農家さんってすごく命がけでやっている中で、その頂き物をしっかり誰が作っているのか、もっともっと身近にしたいなという思いがあった」

殿木社長は北海道の農家からの情報だけを頼りに信陽食品に飛び込み営業。そこで出会ったのが音楽が大好きな斉藤会長でした。

ノースエレメンツ・殿木達郎社長:
「私の思いをお話させていただいたところ、やっぱり音楽は元気になるし、多くの人たちに喜びや、笑顔を届けることができるものだと」

信陽食品・斉藤実会長:
「昔からオーディオとか音楽が大好きなものですから、これは本当にいいなと思った」

実は斉藤会長も若い頃から音楽やその機器に興味があり、長野工業高校の電気科を卒業。自分でオーディオなどを作ってしまうくらいの音楽好きでした。

■なぜロック?「生きざま」

音楽好きの二人が意気投合し、共同で開発した「ロッキンそば」。

でも、なぜロック音楽を選んだのでしょうか。

ノースエレメンツ・殿木達郎社長:
「音楽の持つ力がいろいろな方に思いや元気を届けられればというところからロックに。一生懸命生きるとか、そういう一つの生きざまみたいなところを表現している」

ロックを聴かせることは畑の中から徹底。そばは、北海道士別市の信陽食品の契約農家(菊地さん)が栽培。栽培中は、常にロック音楽を流しています。このおかげか、野生鳥獣による農作物の被害もなくなったそうです。

そこで収穫したそばの実は信濃町の製粉工場へ。

さらには長野市の製麺ラインでも―。

スピーカーは斉藤会長こだわりの高性能スピーカーで、袋詰めされるまでそばは、ロック音楽を聴き続けます。

■ロックを聴かせたそばの味は?

これだけロック音楽を聴かせることにこだわり、出来上がった「ROCKIN‘SOBA」。

はたしてその味は―。

(記者リポート)
「口に入れると、そばの香りがいっぱいに広がります。甘みも感じられて音楽とともに箸が止まらなくなるおいしさです」

そばのおいしさと、ロック音楽を聴かせたことの関係はというと―。

ノースエレメンツ・殿木達郎社長:
「ロックを聴かせて、そばがどういうふうに変わってくるのか。よくエビデンス(根拠)とかあるけど、私たちは何かしらの影響があると信じている」

信陽食品・斉藤実会長:
「成長と味ですね。甘みが出たり、とてもいいそばができる」

■「ばかばかしいけど本気」

「ロッキンそば」のパッケージにあるQRコードを読み取ると、そばに聴かせてきたロック音楽の一覧が表示され、その曲を聴きながら、そばを味わうことができます。

ロックのように熱い思いから生まれた「ロッキンそば」。

値段は未定で現在、販売先を探しているほか、8月ごろからは、オンライン販売を始める予定です。

ノースエレメンツ・殿木達郎社長:
「今、世の中、暗い話題が非常に多い中で、ちょっとばかばかしいけれども本気でやっている。お茶の間の中に少しくすっと笑ってもらえるような話題になればいい」

信陽食品・斉藤実会長:
「これからもますますいい音楽、ロックをそばに聴かせて、音響ももう少し工夫して、快くそばに聴いてもらえるように。音楽を通して皆さんに快い味と風味を提供できればいい」

長野放送
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