自分の声から仕事の「向き・不向き」を分析

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、仕事の形態も変わりつつある中で「もしかしてこの仕事、向いていないのでは…」と思い悩んでいる人もいるだろう。

そんな人たちにとって、ひとつの指標となってくれそうなシステムが登場した。

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それが、株式会社ライフスタイルマネジメントが11月11日に発表した、声紋分析システム
このシステムを使ってわずか6秒の自分の声を分析すると、向いている業務や抱えるストレス具合がわかるというのだ。

自分の声を約6秒間録音し、その周波数を分解・変換して12種類の色と3層の円構造で表現。
12種類の色それぞれが持つ意味は約3000人のデータ分析から決定し、その後5000人分のデータで統計解析を行った。現在は、全国の企業や病院等において1万人に及ぶデータを取っている。

一番内側にある円がいわゆる深層心理、真ん中の円は習慣や癖になっている部分、外側の円が頭で考えている部分を示しているという。
この3つの円には「行動力」「協調性」「分析力」などの項目があり、それぞれがどのくらいの割合で含まれているかを分析。

また、3つの円にはその人が視覚・聴覚など、どんなものから情報を得ているのかという「判断基準」、また、自分を視点に動く・社会を視点に動くなどの「行動基準」などのポイントがあり、これらの組み合わせで個性や強み・弱みなどを探ることができるのだという。
 

たとえば、行動基準のうち社会を視点に動く「社会軸」よりも「自分軸・相手軸」が高く、「共感性」や「適応性」が高いと分析された声からは、「リーダーシップを発揮し、人前に立つ仕事やみんなとのコミュニケーションを要する業務ができる」「マネージャーや管理職などに向いている」という分析結果が導き出されている。

13種類のタイプに分けられるというが、声から自分の強みが分かるのなら、どんな職業に就くべきか悩んでいる人にとってはひとつの指標になりそうだし、今仕事でストレスを抱えている人にとっても、新たなビジョンが見えてきそうなこのシステム。
くわしい仕組みについて、株式会社ライフスタイルマネジメントにお話を聞いてみた。

「判断」と「行動」の基準から声を分析

――「声紋分析システム」開発のきっかけは?

2007年にシステム的な公開特許が出ており、それを元にシステムを開発し2013年以降様々なデータを取って色の意味合い等を決めていきました。

その中で、「個性とは何か」「いつ個性は決まるのか」等々に関心を持ち、数千人のデータを取りながら統計的にも検証していきました。元々企業で経営戦略や人事戦略に長年関わって来た事もあり、採用や人材育成等に有効であると思い企業に広めていった次第です。

現在は、採用や人材育成のみならず、ストレスチェック代替として多くの企業で使われています。また、うつ病や発達障害等における色のバランスもパターンがあって、病院でのカウンセリングや臨床心理的な使い方もされています。データとしては1万人以上に上り、臨床データとして確証のあるものと思っています。

今回、コロナ禍でなかなか対面が出来ない中、録音した音声データでも出来てタイプ別分類が自動で出るシステムを開発しリリースするに至りました。

――改めて、声紋分析の仕組みはどんなもの?

基本的に「自分の名前を6秒間言う」事で、自分の個性が出て来ます。「自分の名前が自分の定義」という事になります。人や会社、その他様々な名前を言う事で、それに対する想いや感情が出て来ます。

低域から広域に渡る声の周波数を周波数変換し階層別の色の分布に焼き直しています。その時、声のトーンや音量、スピードは、普通に会話する程度で取っています。

個性として大事な要素は、何処の感覚を使っているのか、何処から情報を得ているのかという「判断基準」と、誰に視点があるのかという「行動基準」の大きく2つになります。その各要素を12色の色と紐付けています。また、それを意識的に行っているのか、習慣クセで行っているのか、潜在的に行っているのか、という意識の階層が重要になります。以上から、3層12色の色の分布を観る事で個性を判断しています。

これらの判断基準から体感覚・聴感覚・視感覚・直感覚の何処に強みがあるのか、行動基準からリーダーシップ性・独立性・共感性・受容性・社会性の何処を持っているのか等々が出て来ます。それらの組合せからタイプとして13分類する事が出来ます。


――声からストレス具合も分かるということだが、これはどういうこと?

資質本質的な領域、つまり元々持っている深層的なものと意識的な領域の差をみています。持っているのに使えていない場合や出せていない場合がストレスを感じている箇所に当たります。
色によってストレス具合も違って来ますが、この差が大きい程、差が出る色が多い程ストレスも大きいと言えます。これを「資質バランス」という指標でみています。

たとえば、深層心理には強い独立性があったり、自己主張したい!という気持ちがあるにも関わらず、なかなかそれを表に出せなかったり、発揮する機会がない状態にあることはストレスのはず。
このシステムでは、そういった「本来、自分はこういうタイプのはず…」というところも探り出してくれるのだ。

声から導き出される職業は…

――声のタイプからわかる「向いている業務」の例は?

例えば「視感覚相手軸タイプ」という分類を考えます。判断基準が視覚であり、行動基準が相手である場合です。

体感覚(触覚・嗅覚・味覚)や聴覚、共感性がなく、視覚(目)で物事を見て判断するので、職人性や共感、コミュニケーションや会話を必要とする業務は不得手です。話を聞くより見る事が強みなので、目で見る職業、例えば経理・IT・デザイン・設計・建築、女性はファッションやエステ、アクセサリー製作等の業務に適性があります。

勉強方法も、動画や絵、文字等を見る事が合っています。耳を使うテレオペやカウンセラー、対面営業等々には適性がなく、ラーニング等の耳を使う勉強方法は向いていません。

また、相手に視点があるので、人前に立つ事やリーダーには不向きで、目の前にいる相手の為に頑張るタイプとなります。モティベーションアップ方法は、相手に感謝される事や必要とされる事となります。

自分に合わないタイプの仕事をしている可能性も…

――たとえば「はきはき喋る」「大きな声で喋る」といった人はリーダーに向いている、という感じがするけれど…

はきはきと話すとか大きな声で話すとか、人の耳で聴く声と適性には関係性はありません。あくまで、その人が持っている資質本質領域の傾向で決まります。


――「声紋分析システム」は今後どんな場面で活躍してほしい?

現状、企業においては採用や人材育成、ストレスチェックの代替等で導入されていますが、今後もそこを深堀すると同時に、ストレスの同定やうつ病の人の職場復帰等々の健康経営の分野にもっと訴求していきたいと考えています。また、適性がわかるので、ハローワークでの活用や学校における就労支援にも使って頂けたらと思っています。

 

「声紋分析システム」は、これまでにリリースした旧システムは企業や病院、キャリアカウンセラーなど約300社近くに導入。録音データからも分析できる新システムに関しても企業から問い合わせが寄せられており、社員の配置やメンタルチェックの他、婚活アドバイザーからも「会員の個性を知ることができるため、マッチングに役立っている」という声が寄せられているという。価格は80万円(税別)だ。

自分に合った職業を、自分の声から探せるシステム。
「ストレス社会」とも言われる現代において、より自分にマッチした環境を見つけるために、今後さらに広まっていく技術かもしれない。