「安くておいしい」と地元で愛される町中華に異変?
今、異業種の大手外食チェーンが町中華に続々と参入しているのです。
取材班が21日に向かったのは、2026年3月にオープンしたばかりの神奈川・横浜市の中華食堂「甘太郎食堂 馬車道店」です。
この店が掲げるのは“昔ながらの町中華”スタイル。
おなじみのナルトがのったラーメンに、パラパラのチャーハンとギョーザは定番ながら味わい深い品々です。
懐かしさを感じさせる町中華のカレーライスも。
だしのうまみが癖になる、隠れた人気メニューとなっています。
来店客は「ザ・町中華の、安くて多くておいしい。店内すごくきれいだが、どこかなつかしさがあって、町中華を感じる」「めちゃくちゃおいしい。物価が高いのに、この値段でおなかいっぱいになるのは少ないので、いいと思う」などと話します。
店の“昭和レトロ”は、料理だけではありません。
この店は、昭和の懐かしさを感じられるような店内になっており、出前の際には、おかもちを使って運んでいるそうです。
この店舗を手掛けるのは、焼肉の「牛角」や「かっぱ寿司」などを運営するコロワイドグループ。
8月には、昭和の懐かしさが漂う中華食堂の2号店を神奈川県の逗子市にオープンさせる予定で、今後、さらに出店を進めていくと意気込んでいます。
人気の町中華に参入した狙いは何なのでしょうか。
甘太郎食堂・佐藤大介さん:
町中華は今、後継者不足であったり、さまざまなコスト高騰によって個人店を中心に町中華が消滅している現実があり、(町中華消滅を)目の当たりにしたときに何かできることはないかと思い、出店した。
取材班がさらに向かったのは、人気のたこ焼き専門チェーン・銀だこが初めて“中華”に挑戦した店。
東京・神田にある「銀だこ点心酒場」です。
先週初めにオープンしたばかりで、21日からランチの営業が始まりました。
看板メニューは、その名も「ぜったいうまい!!レバニラ炒め」。
濃厚なレバーとシャキシャキのニラを特製だれで炒めた、自慢のスタミナ飯です。
銀だこの手仕事へのこだわりは、点心の定番メニューにも表れています。
本場・台湾で学んだ職人が店内で皮から1つずつ手作りする小籠包。
もちもちの皮の中に、うまみたっぷりのスープとあんがぎゅっと詰まっています。
銀だこ点心酒場 神田駅南口店・及川陽司店長:
3日連チャンで来てくださったお客さんとかもいますね。町中華のブームがなくなったとしても、「ここの小籠包はおいしいよね」って、ずっと残っていけるような店舗作りをしていきたい。
外食チェーンの参入は、これにとどまりません。
「焼肉きんぐ」などを手掛ける物語コーポレーションは2026年2月、「町中華 丸福飯店」を愛知県内にオープンさせました。
大きなチャーシューがのった中華そばの価格は500円台。
さらに餃子定食も600円台と、リアル町中華もビックリのお手ごろ価格です。
安さの秘密は何なのでしょうか。
丸福飯店ブロック・宮井崇行ブロック長:
ひとつは、店内で製麺することで原価を抑えられる。もうひとつは(店の)立地を郊外にすることで都心よりも賃料が安く、人件費も平均時給がそこまで高くない。この二つが大きな理由。
相次ぐ大手外食チェーンの町中華参入。
そのメリットと今後について、外食ビジネスアナリストの三輪大輔さんは「規模が大きい店を作ろうとすると、コストがかかり失敗が許されない状況になっている。その中で、小さいコンパクトな店でより成功するようなパッケージを考えたときに、町中華という選択肢があがっていると考えている。町中華の業態に各社が今、力を入れて開発しているので、競争は盛り上がっていく」と指摘します。
