福島県は7月21日、2027年度の国からの予算確保に向けた会議を開き、東日本大震災と原発事故からの復興に関する実績を示した。
このうち、営農再開割合や沿岸漁業の生産額は目標値を下回り、福島県の復興は正念場を迎えている。
県が示した資料によると、2024年度末時点で、営農が可能な面積のうち営農再開した面積の割合は61.4%。この時点の目標値である63%を下回った。
県によると、福島第一原発が立地する大熊町や双葉町を中心に、営農が可能になっても担い手がいないために伸び悩みがみられるという。
また、2025年の沿岸漁業生産額は44億円で目標を1億円下回った。
これは、地球温暖化により、これまでまとまって漁獲できていたタラやミズダコなどの漁獲量が減少していることなども原因のひとつと考えられるという。
福島県の沿岸漁業・底びき網漁業は、原発事故の影響により一時操業自粛を余儀なくされた。魚種を限定し小規模な操業と販売を行う“試験操業”が2021年に終了し、現在は本格操業に向けた移行期間となっている。
福島県では原発事故以降、県民の放射線に対する不安を解消するため説明会や農林水産物の検査を実施してきたが、「食品や日用品など、消費生活に関して不安を感じることなく、安心して暮らしている」と回答した県民の割合は2025年の実績で57.1%と目標(77.9%)を約20ポイント下回り、「福島県で子育てをしたい」と回答した県民の割合は59.5%と目標(74.9%)を15ポイントあまり下回っている。
一方、浜通りの観光客入込数や、県内への移住を見すえた関係人口創出数などは目標をクリアした。
内堀知事は会議で「福島の現状・課題、事業の必要性について熱意をもって訴えていくことが必要」と強調した。
県は、現状を国に訴え、2027年度の予算確保や復興を支える制度の実現に努めたいとしている。
