山鹿市出身の知江崎 ハルカさんと阿部 晃大(あきひろ)さん。演劇ユニット『翠座(あきらざ)』として、東京を拠点に活動中です。

7月18日(土)から熊本県内3つの飲食店で、食と演劇がコラボした作品、『おもいでゴハン』を上演します。どのような作品なのでしょうか。

2024年5月、3日間にわたって、山鹿市にあるレストラン『カザミドリダイナー』で演劇の公演が行われました。東京を拠点に活動する演劇ユニット・翠座による『おもいでゴハン』。

レストランを舞台に、メニューにまつわる人間模様を描いた、オムニバス形式の作品です。

レストランを劇場として使い、その店のシェフが作るメニューが本編に登場します。

食と演劇のコラボ。山鹿市出身で翠座・主宰である知江崎 ハルカさんの作・演出です。

【知江崎 ハルカさん】
「食べ物にまつわる思い出って人それぞれあると思うんです。笑いのエピソード、ほっこりエピソード、悲しいエピソード、怒りのエピソードかもしれませんが、そういうのを見ることができるのが『おもいでゴハン』の魅力だと思います」
「ゼロ距離のスタイルを楽しんでいただけるような空間づくりをしようと、メンバーと話しながら、夜の回は改善したいと思います」

このレストランは、知江崎さんの中学時代からの同級生の店です。

【カザミドリダイナー 横手 一輝 代表】
「演劇の一部として、協力できればなという気持ちで、料理はもちろん空間づくりも頑張ろうと思います」

舞台が終わったあと、観客は本編に登場したメニューを食べることができます。

【観客】
「料理に物語を感じます。カザミドリダイナーさんの料理は好きなので、違った食べ方ができて、おいしいなと思います」
「同じ物を食べることに、すごく親しみを感じます。今、お芝居をしていただいた方の気持ちが伝わります」
「料理と劇が一緒になると、何か違いますね」

演劇と飲食店、ともにコロナ禍で苦境に立たされ、それを打開しようと始めたコラボシリーズ。客演のキャストとともに『翠座』初めての熊本公演を成功させました。

(2024年8月/山鹿灯籠まつり)

3カ月後、知江崎さんの姿が山鹿市にありました。

【知江崎 ハルカさん】
「身が引き締まります」

(千人灯籠踊り)

熊本を離れて20年以上たち、ふるさと山鹿を意識することが多くなりました。

高校生のときに突然、母親を亡くしました。42歳という短い生涯で、何を楽しみに生きてきたのか、聞いてみたかったといいます。

自分が作る演劇が誰かの楽しみや心の支えになればいいと考えています。

【知江崎 ハルカさん】
「このお芝居を観たから、明日、頑張ろうとか、友達に久しぶりに電話してみようかなとか演劇を観たことで、ちょっと何か考えが変わったり、悩みが解消したり、自分につながるようになことを、意外と近くで見ることができるのが魅力なんじゃかなと思います」

『翠座』、もう一人のメンバー、山鹿市出身の阿部晃大さんです。

この日、阿部さんの父・聖道(きよみち)さんが来ていました。

阿部さんは生後3カ月で入院し、『胆道閉鎖症)』と診断されました。そして、11歳の時に、父・聖道さんの肝臓の一部を移植する手術を受けました。

【阿部 晃大さん】
「とにかく普通の生活に早く戻りたいと思っていました。学校に戻りたいと思っていました」

高校を卒業してすぐ、母・裕子さんが亡くなり、父・聖道さんは、長く肺の病気を患っています。

この日、阿部さん親子にとって、思い出深い人が会場を訪れていました。猪股裕紀洋(ゆきひろ)さん、移植手術を担当した医師です。

【熊本労災病院 猪股 裕紀洋 名誉院長】
「急激に肝臓が悪くなるという状態でもなかったんですけど、かと言って、そのまま置いておいて、成長、発育を遂げることができるのかと言われると、そうではないと。それで肝臓移植の対象になったと。看護師さんたちにかわいがられて、いろいろ一緒に遊んでいたと思います」

【阿部 晃大さん】
「『頑張っているのがすごくうれしかった』とおっしゃっていただいて、『頑張っている』と言っていただきました」

阿部さんは去年1月から聖道さんの介護のため、東京と熊本を高速バスで行き来する生活を始めました。

東京と同じく、熊本でもマクドナルドで働き、シフトの面でも配慮してもらっているといいます。

【阿部 晃大さん】
「大変ではあります、正直。移動とリズムの付け方とか」

【父・聖道さん】
「もう少しゆとりのある生活をさせたいと思うばってん、あれはあれの人生やけんね」

父・聖道さんはことし5月に亡くなりました。76歳でした。料理人として暮らしを支え、病床にあっても東京から阿部さんが帰ってきた時にはその腕をふるっていたといいます。

【阿部 晃大さん】
「心配かけっぱなしで。不甲斐ない息子で、すごく申し訳なかったんですけど、これからは自分一人でしっかり生きていくので、向こうで母と仲良く暮らしてほしいと思っています」

(7月8日/東京稽古の様子)

『翠座』は7月18日(土)からの3連休、山鹿市、菊池市、八代市の飲食店で、食と演劇がコラボした『おもいでゴハン』を上演します。

シリーズ5回目となる今回は、『棒棒鶏(バンバンジー)』『回鍋肉(ホイコーロー)』『杏仁豆腐(あんにんどうふ)』の3つのメニューにまつわるストーリーのオムニバス公演です。

【知江崎 ハルカさん】
「お客さまはのぞき見しているような感覚、距離が近い所でやるお芝居なので、役者の息遣い、目の動き、そんなことまで見えてしまう。そこが魅力なんじゃないかと思います。より空気を一緒に楽しめるんじゃないかと思います」

【出演者全員】
「熊本の皆さん、会場に来てはいよ~」

(問い合わせ先)
akiraza2014@gmail.com

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。