2024年、北海道江別市の公園で大学生の長谷知哉さん(当時20)に集団で暴行を加えて死亡させ、現金などを奪ったとして強盗致死などの罪に問われた男女6人の裁判。7月13日からは川口侑斗被告(当時18)と、当時17歳の少年の裁判が始まり、7月15日は川口被告への被告人質問が行われました。

 川口被告は法廷で遺族に謝罪する一方、暴行を止められなかった理由について「八木原被告から『もっとやって』と言われた」と証言。また、「被害者が亡くなるとは思わなかった」「通行人がとどめを刺したと思った」などとも述べ、結果に対する認識の浅さが浮き彫りとなりました。

■「身勝手な行動で”被害者さん”の人生と命、すべて奪った」川口被告の謝罪とは

 5月26日に行われた川村葉音被告(21)らの裁判では、証人として出廷しながら宣誓を拒否した川口被告。7月13日の初公判では「本当にひどいことをしました。申し訳ありません。この裁判で正直に話します」と述べていました。

 15日の被告人質問では証言台に立ち、「言葉の一つも交わしたことのない見知らぬ”被害者さん”に、当時よかれと思って”ゆがんだ正義感”で肉体的・精神的に苦しい思いをさせ、身勝手な行動で”被害者さん”の人生と命、すべて奪い”被害者さん”のご遺族の皆様に大切な家族の一人を奪い、この先消えることのない傷を負わせてしまい本当に申し訳ございませんでした」と遺族らに謝罪しました。

 初公判で「この裁判で正直に話します」と述べた理由については、「僕にはすべて正直に話す責任があると思ったからです」と説明しました。

 また、被害者と八木原亜麻被告(21)の交際をめぐるトラブルを聞き、自身の家族におきたトラブルと重ね合わせて「解決しようと思った」と証言しました。

 その後、話がかみ合わないことに腹を立てて、被害者の腹を蹴ったとし、「当時は本当に何を考えていたのかわからないです」などと振り返りました。

 さらに、「八木原被告から『まだやって』と言われたので暴行をやめなかった」と証言。

 自らの暴行で被害者が大量に出血した後に、「『許せば』と八木原被告に強く言いましたが、『許す気ねえ、もっとやって』と言われたので、暴力を止めることができませんでした」と述べ、八木原被告に暴行の責任があるともとれるような証言も飛び出しました。


■「亡くなるとは思わなかった」「通行人がとどめを刺したと思った」

 暴行中に被害者の顔から出血していたことについては「何も思わなかった。被害者さんが亡くなるとは全く思いませんでした」と平然と話した川口被告。

 その理由については、「今回共犯者は6人ですが、自分が過去に9人から殴られたり蹴られたりしても死ななかったので、被害者さんが亡くなるとは思いませんでした」と答えました。

 また被害者の死亡を知った当時の認識については、「おれは被害者さんを殺していない、誰かがとどめを刺したんだろうと思いました」と証言。

 「誰か」とは誰かと問われると、「通行人とかがとどめを刺したと思いました」と答えました。

 被害者の髪の毛などに火をつけた行為については、「ライダーキック(飛び蹴り)をした滝沢海裕受刑者(当時18)から『おれより面白いことできるのか』と問われ、面白半分でやった」と述べ、共犯者にあおられたことがきっかけだったと説明しました。

 さらに、奪ったキャッシュカードで引き出した現金のうち最も多い9万円を受け取った際、「おれが一番頑張ったべや」と発言した理由については、「一番暴力を振るったという意味です」と答えました。


■川村被告と食い違う証言…被害者の音声に廷内震撼

 7月14日の公判で、川村葉音被告は、「川口被告から『やれ』と言われて被害者を踏んだ」と証言していました。

 このとき首を横に振るような仕草を見せていた川口被告。15日の証人尋問では、「川村さんに『やれ』と指示を出したことは一切ありません」と完全否定し、双方の主張は食い違う形となりました。

 また廷内では、被害者が最後の力を振り絞るような震える声で謝罪を強いられる場面の音声が流されました。傍聴席では、ハンカチで目元を抑え、肩を震わせて嗚咽する人の姿も見られました。

 川口被告の判決は8月7日に言い渡される予定です。

北海道文化放送
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