きょう=15日、北陸新幹線の延伸ルート案にようやく決着が着きました。

北陸新幹線を敦賀から新大阪まで延伸する計画をめぐり候補にあがっていた8つのルートから決定したのが、「小浜・京都ルート」の中の、JR桂川駅周辺を通る「桂川案」です。

JR桂川駅周辺に住む住民は「楽しみ半分、不安も半分」という声が上がりました。

一方、「地下水への影響」を理由に当初から延伸計画自体に反対し、「千年の愚行」と声を上げてきた京都仏教会は、「“千年の愚行”を撤回するということはない」と話し、今後も反対活動を続ける意向を示しました。

■8つのルートから決定したのは「小浜・京都ルート」の「桂川」案

きょう=15日朝に行われた、北陸新幹線の延伸ルートを決める「与党整備委員会」。

【与党整備委員会 自民党・西田昌司共同委員長】「小浜-桂川ルートということで、正式に決定をさせていただきました」

北陸新幹線を敦賀から新大阪まで延伸する計画をめぐり、候補にあがっていた8つのルートから決定したのが、「小浜・京都ルート」の中の、JR桂川駅周辺を通る「桂川案」です。

■「小浜・京都ルート」の見直しを求めてきた維新は自民に歩み寄った形に

なぜこの案に決まったのか、その理由については。

【与党整備委員会 自民党・西田昌司共同委員長】「早期に着工するためにはで桂川ルートの方がより市民の理解が得られやすいのではないか」

これまで「小浜・京都ルート」の見直しを求めてきた維新は、最終的に自民に歩み寄った形となりましたが…。

【与党整備委員会 日本維新の会・前原誠司共同委員長】「連立与党の中でずっと平行線というわけにいきませんので、お互いが示した案の中から、今回の結論を得たということであります」

■「JR桂川駅」周辺はどのような場所?

新幹線の新駅が誕生することになる、「JR桂川駅」周辺はどんな場所なのでしょうか。

上空から位置関係を確認しました。福井県から新幹線が延伸してくるのと同じ方向、北側から京都盆地へ向かいます。

【田中友梨奈アナウンサー】「山を抜けて京都市内が見えてきました。人気観光地、嵐山です」

その後、桂川を下流へと移動すると新駅ができる予定のJR桂川駅へ。

【田中友梨奈アナウンサー】「桂離宮という江戸時代初期の日本庭園の最高傑作。京都らしいところです。新駅の案が出ているJR桂川駅です。イオンモールがあり、ファミリーも住みやすい場所です」

京都市の中心地へのアクセスは、直線距離で5キロ、JR桂川駅からJR京都駅までは2駅、電車で6分ほどです。

■2016年に「小浜・京都ルート」に決定するも…

この桂川案に至るまでには、まさに「紆余曲折」がありました。

延伸計画をめぐっては、2016年、一度は「小浜・京都ルート」に決定。

ところが…京都市内にトンネルを通すことで、地下水への影響が懸念されるなどとして京都仏教会の僧侶や、京都市議会からも、反対の声が。

さらに、去年の参院選京都選挙区で、「小浜・京都ルート」の再考を公約に掲げた維新の会の議員がトップ当選を果たしたことなどを受けてルートの再検討が始まったのです。

その結果、ルート候補に名を連ねる府内の自治体のアピール合戦が始まり、1度決まったはずの延伸計画は、混沌とした状態になっていました。

【京都府亀岡市・桂川孝裕市長】「亀岡ルートがナンバーワンです!」
【京都府舞鶴市・鴨田秋津市長】「北陸新幹線はぜひ舞鶴へ」

■「小浜・京都ルート」の1つ、「桂川案」が有力となり最終的な決定に

しかし先週、自民と維新が2つずつルート案を持ち寄った際、維新は、これまで自民が支持してきた「小浜・京都ルート」の1つ、「桂川案」を提示。

一気に「桂川案」が有力となり、15日、最終的な決定を迎えたのです。

新しい駅の誕生を前にして、街の様子を覗いてみると…

【記者リポート】「こちらJR桂川駅の駅前なのですが、大型商業施設もあり、反対側にはマンションが立ち並んでいますね」

【地元住民】「便利良くなるしいいねって楽しみにしてます。早くしてほしいなぁって。生きてるかどうか分からない」

【地元住民】「楽しみ半分、不安も半分というのが正直なところ。地下を掘るわけだから、振動とか未知数じゃないですか」

【地元住民】「京都は地下水で生計を立ててられる方がやっぱり多いですし、そういう点でも不安視なさっている方もおられる」

■「“千年の愚行”を撤回するということはない」京都仏教界

当初から「千年の愚行」と反対の声を上げ続けてきた京都仏教会は…

【京都仏教会・宮城泰年常務理事】「“千年の愚行”を撤回するということはない。京都の真ん中通るよりも影響少ないと思いますけど、地下水はどこにでも地上に住む人たちの恵みになっていますからね。(反対活動は)延伸計画がなくなるまで続けなければならない」

様々な思惑が飛び交う中、決まった「桂川案」。延伸工事が始まる時期はまだ未定です。

■工期は26年、着工時期は未定、概算建設費は最大5.5兆円

北陸新幹線のルートが小浜ー京都ルートの「桂川」案に決まりましたが、工期は26年、着工時期は未定。概算建設費は最大5.5兆円とみられています。

ジャーナリストの安藤優子氏は、「着工時期未定というところが引っかかっている」と話し、「行政の責任や政治の責任を明確化した上で着工すべき」と話しました。

【安藤優子氏】「一番大事なのは、最大限の理解を得られるまでにに着工しなければならないという課題。最大限の理解を得られるまでにどのくらいの時間がかかるんだろうか。

もし見切り発車してしまうと、問題が出てきたときに工事をストップせざるを得ない可能性もある。スタートまでに時間をかけるのは、今一番大事なポイントだと思う。

政治決着と言ってもいいと思う。政治決着は行政に直結していく。何かがあったときの行政の責任とか、政治の責任は明確化した上で着工しなければ、住民の方もそうだし、地下水を生計の糧にされてる方も本当に不安だと思います」

■地元住民からは期待と不安の声

地元の人からは期待と不安、様々な声があがっているといいます。

【田中友梨奈アナウンサー】「地元の方の声を聞いてると、これから自分の住んでるエリアが栄えていくんじゃないかっていう期待感もありました。

一方、すでに渋滞気味になっている道が、これから新幹線の新駅ができるとなると、もっと混雑するんじゃないかっていう不安を持っていらっしゃる方もいました。そのバランスというのが難しいのかなと思います」

【安藤優子氏】「京都駅を外して桂川ルートにしたことについて、京都に対しての配慮だというふうに私は受けとめたんですけれども、果たしてこの数キロの移動がどんな意味を持つのかもちゃんと説明しないと、地下は繋がってますからね」

(関西テレビ「newsランナー」 2026年7月15日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。