かけつけた消防隊員2人の命が失われた、道頓堀のビル火災できょう=7月14日、ビルの飲食店の従業員だった35歳の男が書類送検された。
出火の原因として明らかになったのは、『たばこのポイ捨て』。
専門家によると、たばこの火が、建物の壁面と屋外看板の間で、筒の中で熱せられた空気が急に上昇し、火も燃え上がる「煙突効果」という現象もあって燃え広がったと考えられるという。
さらに専門家は扉を開けたときに空気が一気に入ることで爆発的に燃える『バックドラフト』が起き、死亡した消防隊員2人が閉じ込められた中で、複雑なビルの構造が救助を妨げたと指摘した。
■消防隊員の命を奪った火災の原因「たばこのポイ捨て」飲食店従業員だった男を書類送検
2025年8月18日午前9時45分ごろ、大阪の中心地・ミナミが騒然とした火災が起きた。
当時現場で消火活動にあたった消防士の森貴志小隊長(当時55歳)と長友光成隊員(当時22歳)が亡くなった。
火災からおよそ1年。ついにきょう(7月14日)、明らかになった原因は、「たばこのポイ捨て」だった。
警察はきょう(7月14日)、ビルの飲食店の従業員だった35歳の男を、たばこの吸い殻を捨てて火を燃え移らせ、ビル2棟を焼いた疑いで書類送検した。
現場付近の防犯カメラの映像などから、男の関与が浮上したということで、警察は男の認否を明らかにしていない。

■屋外看板によって『煙突効果』と言われる急激な延焼拡大生じたか
たばこから発生した火災が、なぜ、消防隊員2人の命を奪うことになったのか。
数々の現場で指揮を執った元東京消防庁の田中章さんは、今回の燃え広がり方は、ビルに設置されていた屋外看板が大きく影響していると指摘する。
【元東京消防庁 田中章氏】「建物の壁面と看板シートの間に数センチの隙間があるが、これが『煙突効果』と言われて一気に上に、上昇気流とともに延焼拡大し、今回の火災では速いスピードで燃え上がった」
今回の火災は西側のビル1階から出火し、屋外看板をつたってあっという間に東側ビルの5階と6階に燃え移った。

■『バックドラフト』による爆発的燃焼も
さらに消防隊に追い打ちをかけたのが、扉を開けたときに空気が一気に入ることで爆発的に燃える『バックドラフト』という現象だった。
亡くなった隊員とは別の隊員が5階の一室の扉を開けた際、バックドラフトが発生し、6階にいた2人は閉じ込められた。
【元東京消防庁 田中章さん】「屋内階段を伝って、6階に一気に熱風と炎と煙が上がった。バックドラフトが起きた瞬間に、隊員はもう動けなくなったと思います」
逃げ場を失った消防隊員2人。背負っていた空気ボンベの残量が徐々になくなる中、ビルの中に取り残される。

■廊下もなく扉の数が非常に多いビルの複雑な構造が救助妨げたか
2人の救助を難航させたのが、廊下もなく扉の数が非常に多い、このビルの複雑な構造だ。
【元東京消防庁 田中章さん】「この建物が迷路のようになっていまして、廊下もなければ各部屋が扉によって次の部屋、次の部屋になっていて。非常に特異なところ。残念ながら今回の(火災)はなかなか読めなかったと思います」

■書類送検された男「2人の死亡までは予見できなかった」重過失致死傷罪は適用せず
警察はきょう=14日、たばこのポイ捨てをしたとして書類送検された男について、2人が死亡する結果までは予見できなかったと判断し、重過失致死傷罪は適用しなかった。
森貴志さんの遺族は「出火原因が人災とわかり、やり切れない気持ちでいっぱいです」とコメントしている。
(関西テレビ「newsランナー」2026年7月14日放送)


