能登半島地震からの復興を後押しするため、のと里山空港が「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」として生まれ変わった。2003年の開港から23年を迎えた7月7日、世界で初めてポケモンの名を冠した空港として開港。初日から多くのファンが詰めかけ、オリジナルグッズの販売には一時3時間待ちの長蛇の列ができた。空港の至る所に隠されたポケモンたちが、能登の明るい未来への翼となる。

世界初『ポケモン空港』が能登に誕生!復興への願い乗せピカチュウと大空へ

この記事の画像(24枚)

2003年7月7日の開港からちょうど23年、石川県の「のと里山空港」が、子どもたちの笑顔あふれる場所に生まれ変わった。能登半島地震からの復興を後押しする「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」が、7月7日に開港したのだ。これは、世界で初めてポケモンの名前を冠した空港となる。

空港の入口では、柱に描かれたたくさんのポケモンたちが訪れる人々を出迎える。そして、中に入ると、能登半島地震以降、何度も能登に足を運び復興の力を尽くしてきたピカチュウも駆けつけ、特別な一日を盛り上げた。

空港内は“ワクワク”だらけ!111種類のポケモンがお出迎え

空港の中は、まさにポケモンの世界だ。1階の到着ロビーには、能登の復興応援アート「あかるいみらい」をモチーフにした巨大な壁画が広がる。これは「いつもそばにいるよ」というメッセージが込められたもので、たくさんのポケモンが笑顔で迎えてくれる。

2階へ上がると、格闘ポケモンのカイリキーが力強く荷物を運ぶ姿や、吹き抜けの空間には今回のリニューアルの象徴ともいえる、ジェット機に乗ったピカチュウの巨大なバルーンが浮かんでいる。

壁には能登の名所も描かれており、珠洲市の禄剛崎灯台の隣にはミロカロスが、能登のシンボル・見附島の上には、シンボラーがいるなど、発見する楽しみも満載だ。

空港全体では、合計111種類の「ひこうタイプ」のポケモンに出会うことができるという。3階から下を見下ろせば、カビゴンやヌオーたちがのんびりと昼寝をしている光景も見られ、至る所に驚きとワクワクが詰まっている。

「社長に休みもらった」初日からファン殺到 グッズは3時間待ち

開港初日は、この日を待ちわびた大勢のファンで朝から賑わった。開港を記念した式典には、山野知事やポケモン・ウィズ・ユー財団の関係者らが出席し、空港のリニューアルを祝った。スペシャルゲストとしてパイロットの制服を身にまとったピカチュウも登場し、会場を盛り上げた。

東京からの第一便が到着すると、乗客はピカチュウの出迎えに「すごくうれしかったです。これをきっかけに能登をもっと見てみたいなと思いました」と喜びを語った。家族連れも多く、「みんなポケモン大好きで、一緒に来ました」と笑顔を見せた。

最も人気を集めたのは、空港の売店で販売されるオリジナルグッズだ。その行列は3階まで続き、待ち時間は一時180分にも達した。

金沢市から朝8時半ごろに来たという女性は「かなり並びました。ピカチュウとメタモンが好きなので、ピカチュウのグッズをたくさん買いました」と話した。中には「ポケモンが好きなので、社長に言ってお休みをもらってきました」という熱心なファンの姿もあった。

「能登が潤うんじゃないか」ポケふた巡るファンが抱く期待

空港の外にも新たな魅力が加わった。正面入口近くには、能登で7つ目となるポケモンが描かれたマンホールの蓋「ポケふた」が設置された。

描かれているのは、空を飛びたいと願っていた“いしあたまポケモン”の「タツベイ」が、見事進化して大空を羽ばたく“ドラゴンポケモン”の「ボーマンダ」になった姿だ。

このポケふたを目当てに訪れたファンもいる。岐阜県から来たという男性は、全国のポケふたを巡っているといい、「ポケふたは僕の中で聖地。能登は復興支援が思うようにいっていないと感じる。ポケモン好きな人が日本だけでなく海外からも来て、もっと周知されたら能登が潤うんじゃないかな」と期待を込めて語った。

これまでも能登では、のと鉄道のラッピング列車や和倉温泉のポケモン足湯など、様々な形でポケモンとのコラボレーションが行われてきた。今回の空港リニューアルは、こうした復興応援の中心に位置づけられている。

「復興の一助に」被災飲食店や知事も“ポケモン効果”に手応え

このリニューアルは、地元からも大きな期待が寄せられている。能登半島地震で被災した飲食店などが入る空港併設の施設「NOTOMORI」もポケモン仕様に生まれ変わった。

施設内の飲食店関係者は「思った以上にかわいくなってびっくりしました。皆さんに来ていただいて盛り上がれば、復興の一助になると思います」と話す。
子どもの頃からアニメや映画を見ていたという別の関係者も「ポケモンはすごく大きなコンテンツなので、にぎわってくれればいいなととても期待しています」と声を弾ませた。

一番好きなポケモンはピカチュウだと話す石川県の山野知事も、その効果に手応えを感じている。「私のような年齢の者でも、ワクワクしながら今日を迎えることができました。能登が元気になりつつあること、そしてさらに復興に向けて大きく歩み出しているんだということを知ってほしいですし、広げていただきたい」と、ポケモンがもたらす発信力への期待を語った。

期間限定の空の玄関から、能登全体の旅へ

今回のリニューアルは、2029年9月30日までの期間限定プロジェクトだ。しかし、その3年間、ポケモンは能登の空の玄関口として、多くの人々を迎え、そして送り出すことになるだろう。
空港内には、オリジナルメニューを提供するレストランや、滑走路近くに隠れたポケモンを見つけられる展望デッキなど、まだまだ楽しみが満載だ。

さらに、7月18日からは空港を拠点に能登各地のポケふたやフォトスポットを巡る「ポケモン能登めぐりバス」の運行も始まる。

この空港が、能登全体の魅力を再発見するきっかけとなることは間違いない。世代を超えて愛されるポケモンたちが、能登の復興を力強く後押しし、たくさんの笑顔と希望を運んでくれるはずだ。

(石川テレビ・7月7日放送)

石川テレビ
石川テレビ

石川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。