夏の夜空を彩る花火大会が各地で存続の危機を迎えています。静岡県内でも主催者が厳しい対応を迫られていますが、背景にあるのはあの問題でした。
夜空を彩る大輪の花、夏の風物詩の「花火大会」。
遠方からも人が訪れる大きな花火大会だけではなく、それぞれの町で長年続いている花火大会も夏の楽しみの一つです。
ただ、いま“異変”が起きているといいます。
主催者:
他の花火大会はどうやってやってるのかなと
民間の統計によりますと、全国461の花火大会のうち24.1%が過去5年以内に大会の中止、または規模の縮小を余儀なくされたといいます。
いま、花火大会に何が起きているのか?その事情をヒモトクと・・・
静岡県浜松市中央区中野町。
天竜川沿いに広がる人口約3000人の町です。
この地域で住民が中心となって200年以上続けてきたのが、「中野町煙火大会」。
約4000発の花火を見ようと、毎年1万人以上が集まる地域の花火大会です。
50年以上、大会の運営に携わる実行委員会の伊藤昌彦 会長は、運営費をどうねん出するか頭を悩ませていました。
関係者:
きょう説明会やって、どの程度(寄付を)集めるか
中野町煙火大会・実行委員会
伊藤昌彦 会長:
なかなか増えるのは難しいかなというところだが、人口は減ってるので、新規で企業などに案内しないときつい
コロナ禍前の運営費は1800万円でしたが、2025年は2100万円と、2割近く増えています。
運営費が上がる大きな要因は警備などの人件費、そして花火自体の値上がりです。
三遠煙火・従業員:
1つの玉のなかにも5色くらいの色が入っていて、それがグラデーションのように変わっていくような玉
湖西市で花火の製造や打ち上げを手掛ける三遠煙火。
毎年、県内外の花火大会から依頼を受けていますが、花火玉の値上げに踏み切りました。
三遠煙火・小口浩史 社長:
コロナ禍前から花火玉は50%は上がっているので、原材料費の高騰で値上がりせざるを得ない状況
花火大会でよく使われる3号玉は1発約6000円。
以前より2000円ほど高くなっています。
会社を維持していくため、価格の引き上げへの理解を求めています。
三遠煙火・小口浩史 社長:
人件費も最低賃金もかなり上がっているので、そこの部分もかなり大きいのかなと思うが、その分、売り上げを増やして還元していくことが今の感じ
浜松市中央区の中野町で6月4日開かれていたのは、2026年の花火大会のための初会合です。
2026年は2025年よりも運営費の高騰が見込まれ、約2200万円の確保を目指しています。
中野町煙火大会・実行委員会
伊藤昌彦 会長:
今年も寄付の時期になり、まずは町外のことを氏子さんと自治会長にお願いする会
運営費の大半を占めるのは寄付金。
町内や町外で1500軒の家庭や企業を訪問して寄付金を集めています。
また2026年からは、浜松市のふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングで、寄付金の募集を始めました。
これまでに10万円あまりが集まっています。
中野町煙火大会・実行委員会
伊藤昌彦 会長:
そんなので集まるの?というイメージがあるが、少しでも集まればありがたい
伊藤会長は、限られた費用でもお客さんたちに満足してもらえる工夫を考えています。
中野町煙火大会・実行委員会
伊藤昌彦 会長:
花火代は上がっていくので、同じ金額でもなんとか上手に見せるプログラムとかは一応考えてはいる。毎年いろいろ工夫をして
物価高の波が花火大会にも押し寄せるなか、地域で受け継がれる行事を続けるための模索が続いています。
