福岡県議会で、議長や副議長のポストをめぐり自民党県議団幹部から現金を要求されたとする疑惑が浮上した。当事者の一部が現金の受け渡しを認める一方、名指しされた県議は関与を否定。音声データも表面化する中、県議会の不透明な慣行の実態に注目が集まっている。
高額ハワイ視察に続き新疑惑“カツアゲされたようなもの”
報道陣に一礼し、記者会見の席に着いたのは福岡県議会の副議長・中尾正幸議員だ。

県議会の議長と副議長のポストをめぐり、自民党県議団の幹部が議員2人に対し、合計2750万円を要求したという疑惑について6日午後から会見を行った。

会見で中尾議員は「そもそもお金を受け取ってないので、このようなやりとりを信憑性において乏しいのかなと思っています」と疑惑について真っ向から否定した。

議員による高額の海外視察が問題視されている福岡県議会に新たな疑惑が浮上した。

きっかけは、2020年6月から1年間議長を務めた吉松源昭県議がFNNの取材に対して「2018年12月だったと思うが自民党幹部から『これから議会運営に汗をかく気はあるんだろう?』と(言われ)『あります』と応じた。自民党県議団の中には「汗をかく」という言葉があることあるごとに『会派のために汗をかかないといけないぞ』と言われて、請求書が回ってくるということが文化としてある。カツアゲされたようなものだと思っています」と答えたことによるものだ。

吉松県議は議長就任に際し、「『他会派との懇親ゴルフの費用を持ってくれ』という話があった。その額が550万円と『うわっ』と思ったけど、出世コースから外されたり最悪自民党から外されることもあり得るから応じた。(Q.1回きりですか)それから半年後くらいに『1000万円』ってまた言われて(Q.合計どれくらい)ちょうど2000万円くらい」と当時所属していた自民党県議団の幹部から繰り返し現金を要求されたと明かした。

当時副議長に就任した江藤秀之県議も「(Q.就任に際し現金を渡した)うん。間違いなくそれはした。副議長の時は500万円議長の時はなんか1000万円か知らんけど」と自民党幹部に現金を渡したことを認めた。

また吉松県議が現副議長・中尾議員とみられる人物との実際のやりとりだとする音声データには、「今年は『蔵内会』をやって『マスターズ』。『マスターズ』というのは他会派も含めてやっている(ゴルフの件)。明日預かります。責任持ってちゃんと立ち会いますから。大金やけんね、管理しとかんと」と、現在の議長で“県議会のドン”と呼ばれる蔵内勇夫議員とみられる名前が出てくる内容が録音されていた。
高額海外視察のことを「海外旅行」
蔵内議長といえば、県議会議員らによる高額な海外視察が問題視され、6月に記者会見した人物だ。

ハワイ視察での宿泊代が1泊11万円と高額だったことについて問われると「高額だと思います。しかし、そのホテルに着いて初めて部屋が提示されます。私たちの方からどのようなホテルがいいとかどの部屋に入りたいとかそういったことは一切言ったことはございません」と話した。

しかしその後「海外旅行は続けます。その考え一切変えることはございません。あっ!海外旅行じゃありません海外活動です」と高額な海外視察について『海外旅行』と答え、訂正していた。

吉松県議とやりとりをした相手とみられる中尾県議はきょうの会見で、音声データについて「よく似ているんですけど記憶にない。そもそもお金を受け取ってないのでこのようなやりとりをするのは信憑性において乏しいのかなと思う」と答えた。

質問で音声は偽造かと問われると「それはわかりません」と答え、現金のやりとりについて「吉松県議の方から『お金がいるんでしょ』と持ちかけられました。1000万円の話も出ました。松本会長と私は丁寧にお断りしました。それが今までの流れであるので新聞に出ているのは事実無根であると思う」と現金のやりとりは吉松県議から提案してきたと反論した。
現在、自民党県議団を離脱している吉松県議は、県議会の様々な問題の根を絶つため証言に踏み切ったとしている。

新たな疑惑について福岡県の服部知事は「驚きました。県議会のトップである議長のポストをめぐってゴルフ接待とか金銭授受の疑いが生じておりますことは議会の品位を傷つけ県民の信頼を大きく損なっていると思います」と答え、知事選出馬時に金銭を求められたかについては強く否定しました。
(「イット!」7月6日放送より)

