7月に入り、いよいよ夏本番の季節を迎えた。
しかし振り返ると、ことしの6月は多くの人が「思ったより涼しかった」と感じた月だった。
気象庁が「平年より高くなる」と予報していたにもかかわらず、猛暑日を記録した地点数は全国でわずか4地点。前年の490地点と比べると、1%以下という驚くべき水準だった。
一体なぜこうなったのか。そして本格的な暑さが訪れる7月はどうなるのか。
片平敦気象予報士の解説だ。
■「最高の海開き」兵庫・豊岡市で海開き
7月1日、兵庫県豊岡市の竹野浜海水浴場で海開きが行われた。
例年であれば、海水浴場の開幕には夏らしいじりじりとした暑さがつきものだ。
しかしことしの海開きは、そうした暑さとは無縁の涼やかな幕開けとなった。
たけの観光協会の浪華和代副会長は「去年よりも暑くなくて、最高の海開きでした」と話した。
街の人たちに6月の印象を聞いてみると、「寒いから薄めの長袖を着た」「すごく涼しかった気がした」といった声が相次いだ。
「涼しかった」という感覚は、数字にも明確に表れていた。

■「去年がぶっちぎりで高かった」気象予報士が明かす背景
気象庁はことし5月の段階で、「6月の気温は平年より高くなる」と予報していた。
それでも実際の数字は前年比1%以下。なぜ予報が外れる形になったのだろうか。
気象予報士の片平敦さんは、その主な要因として梅雨前線と台風の影響を挙げる。
片平敦気象予報士:梅雨前線による梅雨の雨、そして台風がやってきて、雨の日が多かった。それで思いのほか気温が上がらなかったということは言えるかと思います。
さらに片平さんは、前年との比較による「錯覚」にも触れた。
片平敦気象予報士:去年は5月に梅雨に入り、6月にあっという間に梅雨明けして、夏がやってきていた。去年の6月が、過去の記録を見てもぶっちぎりで高い気温だったので、そのイメージが残っていると、今年の6月は涼しいと誤解をしてしまう形だったかもしれません。
つまり、ことしの6月は「涼しかった」のではなく、「平年並みだった」というのが正確な見方だ。
「これぐらいが普通で、去年がおかしかったんです」と片平さんは明言した。

■「心地の良い日々が続いています」納涼床には追い風
「暑くなかった6月」は、街にさまざまな明暗をもたらした。
鴨川を望む京都の夏の風物詩、納涼床。
旬の食材を生かした八寸やハモの料理が楽しめる老舗料理店では、記者が手元の温度計で測ると29度を示し、そよ風も吹く快適な環境が続いた。
京都では6月の平均最高気温が去年より2度低く、ここ10年で最も涼しい6月となった。
京料理ちもと女将 松井薫さん:心地の良い日々が続いておりますので、お客さまからも満足の声をいただいています。私たちはお着物でお仕事させていただいておりますので、このくらいの気候が助かっております。
さらに松井さんは「これよりもさらに夜になるとクールダウンいたしますので、暮れゆく様と共に涼風を感じていただけたら、お酒もビールも進まれると思います」と話し、ことしの床のシーズンに手応えを感じている様子だった。

■かき氷店は苦戦「暑ければ暑いほどうれしい」
一方で、暑さを前提にビジネスを組み立てていた店舗には、厳しい6月となった。
大阪市北区のかき氷専門店「氷中毒」は、去年のような猛暑を見込んで6月1日にオープンした。しかし蓋を開けてみれば、気温はなかなか上がらなかった。
谷本貴博社長は「びっくりするぐらい気温が上がらなくて、(オープンは)6月後半でも結果的には良かったかな」と苦笑い交じりに話した。
氷中毒 谷本貴博社長:暑かったらすごくうれしくて、『ラッキー!』って心踊るような気持ちで出勤するだろうなと思います。暑ければ暑いほどいいです。

■7月は「平年より高い」予報
では、本格的な夏を迎える7月はどうなるのだろうか。
片平さんによると、7月の気温は「平年より高い」という予報が出ている。
片平敦気象予報士:近畿地方も徳島県も暖かい空気に包まれやすくなるので、気温は平年よりも高めになりそうだという予想が出ています。
梅雨明けの時期については「早いとも遅いとも言いにくい」と片平さんは慎重な言い方をしつつ、平年値として「だいたい7月19日前後」を示した。
それまでの2〜3週間は梅雨空が続く見込みだが、「梅雨空の中でも、ムシムシと暑い日は増えてきそうです」と片平さんは付け加えた。
暑さの質が変わりつつあるこの時期、熱中症対策とともに大雨・土砂災害への備えを改めて確認しておくことが求められる。
(関西テレビ「newsランナー」2026年7月1日放送)


