気になる疑問やニュースのナゼを解き明かす「どうなの?」。

近年、首都圏などで強盗事件が相次いでいます。
世間に不安が広がる中で、SNS上に投稿された真偽不明の動画についてファクトチェックしていきます。

まずは、どのようなものなのか実際に見ていきます。

21秒の動画とともにSNSに投稿があったのが6月5日のこと。
黒い帽子をかぶった人物が店に侵入し、従業員とみられる男性を2度にわたり殴り、痛がる様子を横目に、黒い袋に現金を詰め込んでいます。
そして、そのまま逃げていきました。

この動画の投稿文には「今、日本で始まってます。白昼に強盗…外国人は何でもあり。コレでも外国人は日本に必要だと思いますか?」と書かれていました。

日本で起きた事件と思わせるかのような内容。
動画はこれまでに19万回以上表示され、1日現在も削除はされていません。

山崎夕貴キャスター:
怖いですよね。実際にあった事件のように見えてしまいます。でもこれ、本当に日本であったんですかね?それはちょっと疑問が残ります。

安宅晃樹キャスター:
その辺りもチェックしていきたいと思います。
19万回以上表示され、多くの人の目に触れたとみられるこの投稿。
そこで、1日の「どうなの?」は「日本で起きた強盗?大使館が注意喚起」と題してファクトチェックをしていきます。

改めて投稿を見ていきますが、投稿文には動画とともに「今、日本で始まってます」と、あたかも日本で起きたことかのような内容。
そして、「外国人はなんでもあり。コレでも外国人は日本に必要だと思いますか?」と、外国人を排斥するような内容でもあったんです。

この投稿、そして動画を真に受けたとみられるコメントがあり、「日本人だけなら安全なのに」「外国人は日本人の敵だ」「外国人を入国させると日本は消滅する」などといったコメントが散見されたわけなんです。

榎並大二郎キャスター:
かなり過激、極端なコメントも散見されるようですけれど、ただ相当数、表示されたということでどんな影響が及ぼされているのか気になりますよね。

安宅晃樹キャスター:
その影響とともに、そもそもこの動画は実際に起こったことなんでしょうか。

「イット!」はSNS上に投稿されていた元動画とみられるものを見つけました。
それを見ていきますと、元の投稿主というのはクウェートの内務省が公式Xで、先ほどの投稿の前日に投稿していたものだったんです。

内容としては国内で起きたとする強盗事件の内容で、クウェート国内の両替所で強盗事件があり、現金を奪って逃亡していたフィリピン国籍の容疑者が逮捕された、というような投稿なわけですね。
ですので日本で起きた事件ではなく、クウェートで起きたことだということがまず分かりました。

榎並大二郎キャスター:
投稿自体はフェイクだったということになりますよね。

三宅正治キャスター:
全く同じものだということで、クウェートの事件を、あたかも日本で起きた事件のように見せかけているということですよね。

安宅晃樹キャスター:
そのようなことになります。日本国内での事件かのように拡散されたことについて、「イット!」は在日クウェート大使館を取材しました。
すると、広報担当者からこのような回答があったんです。

まず、この動画というのは本来なぜ公開したかというと、クウェート国内に向けて犯罪抑止のために公開されたものだということなんです。
日本で起きたかのように投稿されたことについては、「投稿者が差別意識を扇動する目的で拡散したならば、クウェート内務省の意図に全く反すると指摘せざるを得ない」としています。

さらに、著作権を保護したり、誤った解釈を防止するような国際的な取り決めが必要なのではないかといったコメントをいただきました。

榎並大二郎キャスター:
嘘の投稿に利用されるのは不本意でしょうし、許されることではないですよね。

安宅晃樹キャスター:
今回、国際大学の山口真一教授にお話を伺いましたが、今回検証した動画は“悪質なミスリーディング情報”と指摘しています。
どういったことなのかといいますと、今回この検証した投稿、動画のように、本物の映像を異なる文脈で使う手口というのは、やっぱり見る側からすると信じやすくなってしまって見抜くのが難しいといいます。

また、あとから誤りだった、間違いなんだと分かったとしても、例えば外国人は怖いですとかやっぱり危ないんだといった印象だけが残ってしまって、現実の差別や偏見を助長する可能性があると指摘しています。

山崎夕貴キャスター:
何となくの印象だけ残るのって怖いですよね。私たち、見る側の意識が問われていますね。

安宅晃樹キャスター:
我々、難しいんですけれども、どのようなことに気を付けなければならないかというところで、山口教授の研究によりますと、「私は物事を批判的に考えられている」と自信がある人ほどだまされやすく、さらには拡散しやすい傾向が分かっているんです。

では、我々はどうしたらいいのか。対策としては、まずはすぐにリアクション・コメント・拡散したりせず、この動画が「いつ・どこで撮影されたものなのか」、また「他のメディアや公的機関はどのように報じているか」といった“情報を検証する習慣”を身につけることが大切だと指摘しています。

1日のどうなの?は、「日本で起きた強盗なのか?大使館が注意喚起」について見てきましたが、実際にファクトチェックを行ったところ、拡散された動画はクウェートで起きた強盗事件の映像で、何らかの意図をもって拡散した偽情報であるといえそうです。

また、今回の手口について専門家は、外国人に対する差別や偏見を助長する可能性があるということで、受け手の我々としては情報を検証する習慣をつけることが重要だと指摘しています。

「イット!」でも引き続き、こうしたネット上などで拡散された真偽不明の情報について検証を続けていきます。

フジテレビ
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国際取材部
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