円安が加速し、円相場は1ドル=162円台後半と歴史的な水準となっています。

フジテレビ経済部・智田裕一解説副委員長に「歴史的円安 家計負担1.5万円増」「163円台が視野 為替介入は?」の2つのポイントについて聞いていきます。

――1つ目のポイント、約39年半ぶりの円安で家計の負担が増えるという試算もありますが、智田さんこれはどういうことでしょうか?

智田裕一解説副委員長:
円安が進行すれば輸入品の価格が押し上がって、物価高を加速させ、さらなる家計の負担増につながります。夏以降、広範囲の値上げラッシュが続くとみられる中で食品の値上げは年間2万品目ペースになることも想定されています。消費税の減税をめぐっては、政府と与野党による国民会議で食料品の消費税を2年間1%にするとりまとめ案が示されていますが、円安による物価高が減税効果を一部相殺してしまう可能性があります。こちらの試算では食料品の消費税を1%にした場合、家計の負担は5万5000円ほど減る一方で、現在のような円安が続きますと負担が1万5000円ほど増えることになって消費減税の効果が円安で一部、打ち消されてしまう可能性があるというわけなんです。

――せっかく減税しても円安で効果が薄れるかもしれないということなんですね。2つ目のポイント、為替介入への警戒感が高まっていますが今後、円安はどこまで進むんでしょうか?

智田裕一解説副委員長:
39年半ぶりという節目を突破した今、1日の円相場は162円台後半まで一段と円安が進行しています。このところの円安要因はアメリカの利上げ観測の高まりなんですが、高市政権が積極財政を打ち出す中で「日銀が政権に配慮して利上げを進めにくくなるのでは」そんな見方も円安につながっています。長期的には日本の国際競争力が低下し、エネルギー価格の高騰などで貿易赤字が膨らむ中で日本が海外から物やサービスを買う力が失われてきたことが、円の実力低下をもたらしてきたという大きな背景があります。163円が近づいている今の円安の流れを反転させる大きな材料がないのが現状といえます。

――仮に為替介入があるとすれば、どのタイミングになりそうですか?

智田裕一解説副委員長:
片山財務大臣は6月30日に「必要に応じていつでも適切に対応する」と発言し、改めて円安進行をけん制しています。こうした中、為替介入の可能性をめぐっては市場関係者の間で週後半のタイミングが注視されています。2日はアメリカの経済指標が発表され翌3日はアメリカ市場が休場、つまりお休みで市場関係者が減少して取引量が薄くなるため、少しの売買で市場全体が大きく動く可能性があるというわけです。こうしたタイミングで政府・日銀が介入に踏み切るのか注目されています。