いま健康経営を考える企業が、老舗寝具メーカーの“仮眠室”に続々と訪れています。

2026年に創業460年を迎える老舗寝具メーカー「西川」の本社ビルにある「ちょっと寝ルーム」は、効率的に、そして快適に仮眠をとるための施設です。

2019年に設置され、メディアでも話題となったのでご存じの方も多いと思いますが、最近少し意外な展開を見せています。

仮眠室の導入を検討している企業の担当者が「ちょっと寝ルーム」を訪れ、システムの説明を受けている様子がみられました。

東京建物 経営企画部・高橋美結主任:
今年の秋に本社を移転する予定なんですけど、その移転先に仮眠室の導入を検討しておりまして、(「ちょっと寝ルーム」を)体験したくてうかがいました。

コロナ禍が終わり、働く人がオフィスに戻り始めると、メディアなどで「ちょっと寝ルーム」を知った企業から西川への問い合わせが多く寄せられるようになりました。

導入を前提とした企業の見学も急激に増え、2026年は100社に達する見込みだといいます。

導入の理由について、東京建物の高橋主任は「もともと当社は社員のウェルビーイングの実現というところに力を入れている中で、何を入れれば従業員が喜ぶかなって考えた時に西川さんのサービスに至ったという形です」と話します。

自動車の部品などを製造・販売する「TPR」は2026年4月、東京・中央区に新たな研究開発拠点を開設した際に「ちょっと寝ルーム」を導入しました。

TPRの「ちょっと寝ルーム」について、西川のソリューション推進部スリープマスター・山本崇馬さんは「TPRさまのこだわりというのが弊社(西川)の東京オフィスと同じようなセットで、もうフルセットで導入したいという思いを打ち合わせの際にいただきました」と話します。

広さこそ及ばないものの、仮眠用の寝具はもちろん、照明や音響を連動させるシステムなどは西川の「ちょっと寝ルーム」と同じものを導入。
さらに、西川にはなかったスペースを仕切るカーテンを設置しました。

そして、真っ白な壁紙で窮屈さを感じさせないように、温かみがあるレンガ基調の壁紙にしたという工夫もあります。

要望や設置場所に合わせてカスタマイズされた「ちょっと寝ルーム」の使い心をTPRの社員に尋ねると、「ちょっとの時間でもスッキリ頭がしてくる感じがします。うれしい制度だなと思ってます」「頭がスッキリするような感じがします。働いている人間としては、この環境を整えてくれているというところで、ありがたいなと思います」などの声が聞かれ、設置されたばかりですが、すでに社員の心をつかんでいるようです。

TPR・大和康二社長:
「健康経営」というキーワードもありますけれども、我々は社員がいかに良い環境で、働きやすい環境をつくりながら、健康のことも考慮しつつ業績につなげていくか。こういったところをしっかりと意識しながらやっていきたい。

健康経営に取り組む企業が増える中で、460年の歴史を持つ西川も新たなステージへ進もうとしています。

西川 ソリューション推進部・飯沼誠課長
「老舗の寝具メーカー」というような形だけではなくてですね、現在では「脱寝具」といいますか。「ちょっと寝ルーム」も含めまして西川としましては、睡眠視点で多くの方々の健康をつかさどる企業になろうと思っております。