事件の全容解明に向けて大きな進展です。
今年4月、三原市で男性の遺体が見つかった事件で、警察は29日、強盗殺人の疑いで、29歳の男を逮捕しました。
別の殺人事件で共犯関係にあったという2人。男は”口封じをするため”犯行に及んだとみられています。
【県警本部・岡崎玲史 刑事部長】
「土中から徳田雅希の遺体を発見した事件につき本日被疑者を強盗殺人罪で通常逮捕しました」
県警の捜査本部は29日、会見を開き、広島市南区の無職、倉本幹太容疑者29歳を、「強盗殺人」の疑いで逮捕したと発表しました。
一連の事件の始まりは、今年2月中旬の未明。
東広島市の住宅で、この家に住むリフォーム会社社長、川本健一さん(当時49)が、首を刃物で複数回刺されて殺害され家に火が放たれました。
その後、警察は事件の証拠につながるとみられる情報を新たに入手し、35キロ以上離れた三原市まで捜査範囲を拡大。
【三原の現場付近の住民】
「黒瀬のほうで殺人があったんで、ここに防犯が付いてるんで、カメラをちょっと調べさせてくださいと言って(警察が)来られたんですけどね」
そして今年4月下旬、会社敷地の地中深くで徳田雅希さんの遺体を発見。
【徳田さんの仕事仲間】
Q:最後に会ったのって
「(3月)9日。(仕事場に)送ってもらってそのまま朝どっか行っちゃったんで」
Qその時(3月9日)の様子って?
「普段と変わりなくて全然(異変に)気づかなくて」
徳田さんの遺体が見つかってから、ちょうど3カ月経った29日。
倉本容疑者の逮捕に至りました。
警察によりますと、倉本容疑者と徳田さんは、東広島市の事件の”共犯関係”にあったということです。
倉本容疑者は、徳田さんが警察の捜査線上に浮上したことを知り、口封じとともに、徳田さんに対する700万円の借金の返済を免れようと殺害を計画。
そして今年3月9日、会社敷地に掘った穴に徳田さんを埋めて殺害した疑いがもたれています。
警察の調べに対し倉本容疑者は「私はしていません」と容疑を否認しています。
徳田さんの仕事仲間で、倉本容疑者のことも知る人は―
【徳田さんの仕事仲間】
「(倉本容疑者は)顔出す程度で、ここ(死体遺棄現場)に来たことがあった」
Q:どういった関係?
「幼なじみ、徳田さんと。明るくてコミュニケーションも上手な方でしたね」
東広島市の殺人事件の捜査の過程で、三原市の別の殺人事件が発覚するという複雑かつ凄惨な展開を辿った一連の事件。
捜査本部は引き続き、全容解明に向けた捜査を続けています。
■倉本容疑者と殺害された2人との関係は?
それでは、捜査本部がある東広島警察署前から伝えてもらいます。
【向井記者】
会見には記者など40人ほど参加し、午後1時半から50分ほど行われました。
事件の経緯について記者からの質問が相次ぎ、会見のなかで倉本容疑者と殺害された2人との関係が明らかになりました。
倉本容疑者は、三原市で殺害された徳田さんとは「地元の同学年の知人」そして、東広島市で殺害された川本さんが経営するリフォーム会社の元従業員で、さらに、川本さんの妻の「おい」でもあるとということです。
倉本容疑者は、「下請け業者が資材を仕入れるための資金を必要としている」などとうそを言って川本さんの会社から金をだまし取ったとして詐欺の疑いなどでこれまでに3回逮捕・起訴されています。
警察は、倉本容疑者が東広島市と三原市、2つの殺人事件に関与しているとみて慎重に捜査を進め、29日、東広島市の事件で共犯関係にあった徳田さんを口封じのために殺害したとして逮捕しました。
複雑な展開をたどった一連の事件は三原の事件の容疑者逮捕で一つの節目を迎えましたが、全容解明に向けた捜査が続けられています。
以上、東広島警察署前から中継でお伝えしました。
■事件の経緯は
ここからは取材を続けている県警担当の竹内記者とお伝えします。
【竹内記者】
まず、東広島市で川本健一さんが殺害された事件は2月16日に起きました。そのおよそ1カ月後、三月中旬には三原市で徳田さんの足取りを追う捜査が進んでいたことが、捜査関係者への取材などから分かっています。
実は徳田さんについては29日の会見で比較的早い時期に捜査線上に出てきたと話が出ていました。
そして、徳田さんに捜査が及んでいることを知ったのが倉本容疑者です。
3月9日、口封じのため、そして借金返済を免れるために徳田さんを埋めて殺害したとみられています。
一方で警察は、徳田さんの行方が分からなくなった3月9日の時点で、確たる証拠がなく、徳田さんの事情聴取には至っていなかったと29日会見で明らかにしていて、ある捜査関係者は徳田さんの死は懸念していたことだと話していました。
ーーですから、警察としては徳田さんに直接話を聞くことができていない中で、倉本容疑者との共犯関係というのを認定するっていうところ、なかなか難しいと思うんですが、これはどうしてなんでしょう?
徳田さんの立件に至っていない中で、ここまで言及したことには、正直驚きがありました。ある捜査関係者は、糸をたどるような死に物狂いの捜査と話していましたが、2つの現場での捜索や周辺への聞き込み、そして防犯カメラ映像の解析など、慎重な捜査を行って裏付けとなる証拠を積み重ね、東広島市の事件への関与も認定したものとみられます。
ーー今後の捜査の焦点というのはどの辺になるんでしょうか?
今後さらに詳しく捜査が進められるとみられるのは、倉本容疑者と、そして徳田さんが東広島市の事件にどう関与したかという点です。
三原市の徳田さん殺害の動機が口封じであるのであれば、川本さん殺害を計画した動機は何だったのか。そして、倉本容疑者と徳田さんはそれぞれどのような役割を果たしたのか。全容解明に向けた捜査は引き続き続けられます。
