「餃子の王将」運営会社の社長を射殺したとして罪に問われている特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の男に対し29日、検察は無期懲役を求刑しました。

判決前最後の法廷で、被告が語ったこととは。

黒っぽいスーツ姿で法廷に姿を見せた男。

着席した状態で傍聴席をぐるりと見渡しました。

殺人などの罪に問われている、特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄被告(59)です。

京都地裁で29日、開かれた論告求刑公判。

法廷で田中被告は「私は本当に犯人じゃなかとばい」と述べました。

2013年12月、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの当時の社長、大東隆行さん(当時72)は京都市で拳銃で撃たれ殺害されました。

放たれた銃弾4発全てが大東さんに命中していたことから、警察は銃の扱いに慣れた人物による犯行とみて捜査を続けました。

◆京都府警の会見(2022年10月)
「本件の被疑者、田中幸雄、年齢56歳を逮捕した」

事件発生から9年後の2022年10月、実行犯として逮捕された田中被告は何者かと共謀し、大東さんを射殺したとして殺人などの罪に問われました。

2025年11月から始まった田中被告の裁判で、目撃情報など直接的な証拠がない中、争点になったのは田中被告の『犯人性』です。

検察は事件現場に落ちていたタバコの吸い殻に付着したDNAなどを証拠として、田中被告が事件の実行犯だと主張しました。

対する田中被告は法廷で無実を訴えました。

◆田中被告
「私は決して犯人ではありません。任侠の志として濡れ衣の1つや2つ甘んじて受け入れます。だからと言ってセンセーショナルな事件まで到底承服できない。もう1度言います。私自身は決して犯人ではありません」

弁護側も「田中被告は当日福岡にいた可能性がある」と主張しました。

さらに田中被告は今年3月に行われた被告人質問で一切の証言を拒否しました。

◆裁判長
「検察官が質問したいとのことだが、一切供述を拒否しますか?」

◆田中被告
「はい」

◆裁判長
「裁判官が質問したとしても供述を拒否しますか?」

◆田中被告
「はい」

◆裁判長
「被告人質問を実施しません」

田中被告が証言を拒否したことで、被告人質問は異例の中止となりました。

そして迎えた29日の論告求刑公判。

検察側は、現場に落ちていたタバコの吸い殻は、第三者により持ち込まれたと考えられる余地はないと指摘し、「組織的・計画的な犯行」「社会に与えた影響は大きい」などとして、田中被告に無期懲役を求刑しました。

一方、弁護側はタバコの吸い殻について「組織内の別の者が陥れようとして吸い殻を持ってくることも不可能ではない」「真犯人が遺留したとも考えられる」と述べ、改めて無罪を主張しました。

最終意見陳述で田中被告は…。

◆田中被告
「裁判長、陪席裁判官、謹んで申し上げます。私は、決して犯人ではありません。私は犯人じゃなかとばい!失礼しました!私は本当に犯人じゃありません!と伝えてまわりたいです。皆さんにもう1度申し上げます。私は本当に犯人じゃありません!」

強い口調でこう締めくくると、田中被告は周囲に会釈しました。

全国展開する中華料理チェーンの社長が殺害され、社会に大きな衝撃を与えたこの事件。

判決は10月に言い渡される予定です。

テレビ西日本
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