身近な社会課題の解決を目指すコーナー、「Re:change」です。今回は全国で出没が相次ぐクマの問題について。ツキノワグマが生息する岡山県の現状を取材しました。

春先に冬眠から目覚め、繁殖期の7月にかけて活発になるクマ。北海道や東北を中心に全国で出没が相次いでいます。

環境省によりますと、2025年度は、クマによる犠牲者が過去最多の13人に上り、今年度も5人が死亡しています。市街地でも姿を見せていて、人の生活に影響が出ています。

ツキノワグマが生息する岡山県は大丈夫なのでしょうか…。

(津山市鳥獣被害対策実施隊 神田直人さん)
「クマがひっかいた木。しっかりと木の皮がめくれていますね」

津山市の山中。地元の猟友会のメンバーで、市から鳥獣被害対策を委託される神田直人さんに案内してもらうと、生々しい爪痕を確認できました。

(津山市鳥獣被害対策実施隊 神田直人さん)
「私が聞く中では(市内の)加茂町で 2回ほど見たという情報を確認している」

これまでも北部を中心にクマの出没が相次いだ岡山県。2026年度は、山間部を中心に40件目撃されていますが、その数は25年の同じ時期の3倍以上だということです。

26年は、どうして多いのか。岡山市にある環境省の地方事務所に聞くと、こんな特徴が見えてきました。

(中国四国地方環境事務所 寺内聡課長補佐)
「クマは冬眠中に出産する。栄養状態が良いと無事に出産することができる。この冬は出産の数が増えたというのが一つあるかと」

昨シーズン、木の実が豊富だった中国山地。食べ物が豊富だった分、出産の数が増えたとみられます。現時点で、人が襲われたり市街地で目撃されたりという深刻な状況にはなっていません。

ただ、現場で対応する神田さんはあることを懸念しています。

(神田直人さん)
「果実や木の実が少なくなってきていると思う。去年は色々な所に落ちていたのを確認していたが、今年は少ないのかなと」

中国山地の木の実は、昨シーズンが豊作だったため、今シーズンは不作になる「裏年」の可能性があります。そうなると数が増えたクマが食べ物を確保できなくなり、冬眠前の秋に市街地に下りてくる恐れがあるのです。

環境省の地方事務所は会議を開き、自治体への支援などを強化する方針を決めました。

(中国四国環境事務所 寺内聡課長補佐)
「この冬は中国山地で(クマによる人身)事故が起こるかもしれないという心構えで色々な準備をしてもらえたら。ごみの捨て方や(クマが好む)柿の木で、収穫しないものは切るなど対策をしておくのが事故を防ぐために必要」

環境省は、山に入る際、事前に出没の情報を確認すること、出没しやすい早朝や夕方を避けることなど6つの項目に注意するよう呼びかけています。

全国で相次ぐクマの被害。岡山県でも危険と隣り合わせだということを理解し、意識を高める必要があります。

岡山放送
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