蔵のまちとして知られる喜多方市は、飯豊連峰を望む美しい景観が広がります。多くの人がラーメンを目当てに訪れますが、この街には歴史と風土が育んだ、知られざるグルメが数多く存在します。今回は、ラーメンだけではない喜多方の奥深い食の魅力に迫ります。

■料亭「志ぐれ亭」伝統の味
喜多方の市街地から少し離れた場所に、築100年の古民家をリノベーションした料亭「志ぐれ亭」はあります。この建物は、かつて西会津の山奥に建っていた材木の生産者である山主の住まいを移築再生したものです。趣のある空間は、訪れる人に安らぎのひとときを提供し、一日2組限定で宿泊することも可能です。
この店の名物『にしん飯』には、大正時代から受け継がれる物語があります。店の創業者である女将が海産物問屋の出身で、当時食べられていた干物のニシンの調理法や味を再現し、ご飯にのせたのが始まりとされています。
名物の『にしん飯』は、提供までに3日間もの手間暇をかけて作られます。臭みを取り、小骨を削ぎ落として柔らかくした後、下茹で、下味、本味付けという工程を経て、ようやく完成します。丁寧に調理されたニシンは臭みがなく、口に入れると甘さがふわっと広がり、魚の旨味が凝縮されています。
また、7月・8月限定の「ひまわり昼膳」は、地粉を使ったそばや『にしんめし』がセットになったランチメニューです。夏限定の「完熟トマトのレモン煮」は、白ワインベースのレモン汁で煮浸しにしており、まるで果物のモモのような甘みが特徴で、生ハムの塩味がその甘さを一層引き立てます。

《志ぐれ亭》喜多方市上三宮町吉川字日照畑374-1
【営業時間】昼 午前11:00~午後1:00/夜 午後5:00~午後7:00(要予約)
【定休日】火曜日
◇ひまわり昼膳(7・8月限定) 2,500円 ※要予約


■復活した幻の会津ピーナッツ
落花生の産地といえば千葉県が有名ですが、かつて1980年ごろ、喜多方市を含む会津地方も落花生の産地でした。しかし、安価な外国産の流入により会津産の落花生栽培は衰退し、やがて途絶えてしまいます。
転機が訪れたのは震災後。地元の企業や農家が力を合わせ、本格的な栽培を再開しました。現在では約40人の農家が、世界に誇れる落花生を目指して栽培に取り組んでいます。会津の長い冬は、畑の土を十分に休ませることができます。この豊かな土壌と一毛作で作られることにより、粒が大きく栄養豊富で、味わい深い落花生が育ちます。
「アイヅピーナツマート」では、会津産の落花生を使った約50種類もの商品が販売されています。そのおいしさをダイレクトに味わえるのが「ジャンボ塩ゆでピー」です。枝豆のようにほくほくとした食感で、味が濃くクリーミーなのが特徴です。
カフェスペースで人気の「アイヅピーナツソフトクリーム」は、薄皮ごと挽いたピーナッツを使用しているため、風味が豊かで香ばしさが際立ちます。他にもピーナッツのドレッシングやおこわ、かりんとう、喜多方ラーメン味のピーナッツなど、多彩な商品が揃い、落花生の新たな可能性を発見できます。

《アイヅピーナツマート》喜多方市字天満前8930
【営業時間】午前9:00~午後5:30
【定休日】1月1日・2日
◇ジャンボ塩ゆでピー 594円
◇アイヅピーナツソフトクリーム 540円
◇ピーナツドレッシング 690円
◇ピーナツおこわ 大:540円 小:302円

街中の喧騒を離れ、100年の古民家で歴史に思いを馳せながら食事をしたり、復活を遂げた地元の特産品の力強い味わいに触れたり。喜多方には、作り手の想いが詰まった、心に残る食体験が待っています。

***まだまだある!喜多方グルメ***
喜多方市は蕎麦もオススメです。
恋人岬の近くにある『Soba Cafe満天テラス』では、最高の眺めを楽しみながら地元の野菜を使った天ぷらなども味わえます。
さらに飯豊連峰の麓にあるそばの里・山都地区。白っぽく透き通った色合いの「山都そば」もぜひ味わってみてください。

《Soba Cafe満天テラス》喜多方市熊倉町雄国字獅子沢丁577
【営業時間】午前11:00~午後4:00
【定休日】月曜日~金曜日

《元祖手打ちそば やまびこ》喜多方市山都町広野七十苅2320-9
【営業時間】4~12月 午前11:00~午後3:00/1~3月 午前11:00~午後2:30
【定休日】木曜日

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