不動産総合デベロッパーの株式会社エスコン(本社:東京都港区、代表取締役社長:伊藤貴俊)が札幌市中央区南7西4において開発した「ランドーホテル札幌ヘリテージ」は、2026年6月26日(金)にグランドオープンを迎える。
国内外の観光客や地元の人々で賑わう、アジアの夜市のような活気に溢れた街、札幌・すすきの 。その中心から少し外れた場所に 、かつて日本初のテーマパーク型ダンスクラブとして一世を風靡した「KING∞XMHU(キングムー)」が存在した 。
その解体が決まった際、街の象徴が失われることへの惜しむ声が多く聞かれたが、その跡地を次の時代へとつなぐ開発を任されたのが、株式会社エスコン・建築企画部の三浦 陸夫(みうら りくお)である。
ホテル開発がひしめく札幌において、単なる宿泊施設ではない「土地の記憶の継承」と「確かな差別化」をいかにして両立させたのか。若き開発者が直面した課題と、それを乗り越えた戦略的プロデュースの軌跡を追う。
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周辺マーケットの空白を突く。157室から125室への客室変更
「このエリアはホテルの開発が非常に盛んな『ホテル乱世』の状況でした。だからこそ、ただ四角くて綺麗なだけのホテルを建てても埋もれてしまう。他とは一線を画す、確かな存在感を持たせなければいけないという考えが、スタート段階からありました」
三浦が用地仕入れ後の企画・デザイン段階から参画した際、まず着目したのが周辺マーケットの需給バランスだった。
当初の計画では「157室」を想定していた。しかし周辺環境を徹底的にリサーチした結果、グループ訪日観光客や国内ファミリー層が「1室でみんなで寝食を愉しめる」ような、十分な広さと生活設備を備えた長期滞在型ホテルが圧倒的に不足していることを見抜いた 。
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客室数をあえて「125室」へと攻めの減室を行い、1室あたりの広さと快適性を追求した。
今回パートナーシップを組んだ運営会社の株式会社Satisfillは、まさにそうした長期滞在やファミリー層向けの空間づくりに強みを持つ企業である 。マーケットの空白とパートナーの強みを最大化するため、客室数を減らし、一室あたりを贅沢に広くする判断を下した 。
この戦略は功を奏し、プレオープン段階から大きなスーツケースを抱えた団体客の需要を的確に捉え、客室クオリティに対して確かな評価を獲得している 。
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「心地よい違和感」をビジネスに馴染ませる調和の難しさ
このプロジェクトの最大の特色は、解体されたキングムーの内装材(遺跡風パネルやオブジェ)の一部を再利用し、新しいホテルの空間へ組み込む点にある 。
「元々、キングムーという建物自体が、札幌の街に唐突に現れた『古代メキシコ風インテリア』という違和感を持っていました 。そして、その違和感こそが地域に深く愛された要因でもあった 。だからこそ、新しくつくるホテルにも、上品さの中にそのチグハグさを落とし込みたかった」
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古代メキシコをオマージュした部材を、現代のラグジュアリーホテルへと溶け込ませるプロデュースを敢行。
しかし、おどろおどろしさすらあった旧施設の部材を、そのままホテルへ配置すればデザインが浮いてしまい、単なるテーマパークのようになってしまう 。
三浦はデザイナーと解体前から現地を視察し、使用する部材の寸法を事前に計測して緻密な設計を行った。さらに、切り取った部材の上から特殊な塗料を重ねて塗装し、質感をマイルドに調整するなどの微修正を繰り返した。
こうした細部へのこだわりを施工現場へ正確に伝えることには非常に苦戦し、当初は上がってきた塗装の仕上がりをめぐって現場と激しく議論を戦わせることもあったという
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「照明器具に関しても、全体の効率性を求めてメーカーを一つに統一するのではなく、エリアごとの個性を出すために1個ずつ異なるブランドの器具を指定するなど、設計とデザインのこだわりを徹底しました。こちらの意図を現場にいかに理解してもらうか、毎日泥臭くコミュニケーションを重ね続けました」![]()
異なるプロフェッショナルを掛け合わせ、120%の力を引き出す
三浦が今回、仕事の進め方として最も大きな手応えを感じたのが、「異なる能力を持つデザイナー同士のタッグを組ませるプロデュース手法」である。
「インテリデザイナーと音響デザイナーを組ませる、あるいはグラフィックデザイナーと特殊造形が得意な業者を組ませる。自分たち自身では図面を引かない総合デベロッパーだからこそ、異なるプロたちの力を掛け合わせて120%の成果を出すプロデュース力が必要だと考えています。自分が関わったからこそ、これまでになかった一面を引き出し、この物件を形にできた。そういう確かな足跡を残せるものづくりを意識しています」
他にもこだわった点がある。ホテル全体の価値を大きく高めた「空間音響」の導入だ。キングムーがかつて「音楽を愉しむ場」であった歴史を伝えるため、一般的なスピーカー計画を変更し、空間音響を専門に手掛けるプロデューサー・矢島裕至氏をチームへと迎え入れた。
タイトなスケジュールの中、三浦の熱意に共感した矢島氏は急ピッチでオリジナル音響デザインを作り上げた。先日のメディア内覧会には、当初の契約に含まれていないにもかかわらず、「こういう晴れの舞台だから是非参加させてください」と矢島氏も現地へ駆けつけ、空間の魅力を共に発信してくれたという。
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担当者の「想い」を最大限に尊重する、エスコンの土壌
完成したホテルを見つめながら、三浦は建築企画部の担当者として冷静に振り返る。
「どの物件もそうですが、自分は完成した瞬間は反省点ばかりに目がいってしまいます。客室内と共用部でデザイナーを変えたことで生じた細かなニュアンスの繋がりや、建物全体に調光システムを入れたものの、一部だけ入れられなかったので雰囲気が少し切れてしまう点など、突き詰めれば課題はたくさんあります。だからこそ、次の物件ではこれらを活かそうという気持ちのほうが強いです」
完成した「ランドーホテル札幌ヘリテージ」。
三浦の頭の中には、すでに次のプロジェクトの課題解決が始まっている。
一人の担当者に、ここまでの大きな裁量と「こだわり」を任せ切る背景には、エスコン独自の社風がある。
「面白い試みやチャレンジ精神を何よりも尊重してくれる風土があります。今回の部材再利用も、実現するのは簡単ではありませんでした。しかし、『これがやりたい』と想いをぶつけたら、上司も『お前が関係者を説得して進めるならいいよ』と、背中を押してくれた。担当者次第で、物件をどこまでも良くできる環境がある。それが、エスコンの一番の強みだと思います」
エスコンが北海道内で手がけるホテルは、「(仮称)南6西4プロジェクト」「(仮称)北3西2プロジェクト」や富良野、函館といった次のプロジェクトの種がいくつも芽吹いている。
社名の「エスコン」は、「エステート(不動産)」と「コンステレーション(星座)」を合わせた造語だ。「人と人をつなげて、それぞれが輝けるように繋ぎたい」という当社の理念は、三浦のような、現場でこだわり抜く社員の行動の中に、しっかりと体現されている。
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施設概要
名称:ランドーホテル札幌ヘリテージ
アクセス:札幌市営地下鉄南北線「中島公園」駅 徒歩 6 分、「すすきの」駅 徒歩 7 分、
札幌市営地下鉄東豊線「豊水すすきの」駅 徒歩 8 分
所在地:北海道札幌市中央区南7条西4丁目424番10
客室数:125室
客室タイプ:約28㎡~108㎡
開業時期:2026年6月 26日 グランドオープン
ES CONについて
人が自然に集まり、帰りたくなる、そして、住まう人が誇りを持てる「街」と「住まい」を。エスコンは、暮らしや住まいの「理想」をかたちにする「ライフ・デベロッパー」。そこに暮らす人びとの幸せや未来を思い描きながら、理想の暮らし、理想の街を実現することで、新たな日本の未来を創造していきます。
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