石川県能登町在住の抒情書家、室谷文音さんの作品展が23日から金沢市で始まりました。4年ぶりに行われる個展。テーマは「墨の声」です。
リポート:
「心に浮かぶ思いや言葉をつるべでくみ上げるように書にしたためるのが抒情書です。地震から間もなく2年半、作品には室谷さんの『心の声』が込められています。」
金沢市の石川国際交流サロンで始まった「墨の声」展。能登町在住の抒情書家・室谷文音さんが能登半島地震の前後で書いた作品33点が展示され、うち27点は今回の個展のために書かれた新作です。実は、室谷さんには「地震後書けなくなった文字」がありました。
室谷さん:
「自分の人生のテーマともなっている『水』という一文字を、なかなか書けなかったんですね。」
一昨年の能登半島地震で、父・一柊さん、母・朱琴さん夫妻が暮らした能登町の自宅兼アトリエは大規模半壊し、公費解体。室谷さん夫妻の自宅兼アトリエにも大きな被害が出ました。
津波と豪雨で形を変えた街並みと人々の人生。一時は『水』に恐れを抱くこともありましたが…
室谷さん:
「これは『水』という字をたくさん書いて流れる水、滝をイメージして書いています。水の有難さと私たちの命も平気で奪っていく水の恐ろしさの両方を表現したくて軸の色を二色にしてあります。色んな気持ちを込めて、でもやっぱり私は水に感謝している、水が大切なんだという思いを込めて、感謝の気持ちを込めて書いたところもあります。なので優しさが伝わっているのであれば嬉しいです。」
室谷さん:
「会場自体も、街中とは思えない静寂の時間が流れているので、皆さんのご自分のための時間として過ごして頂きたいと思っています。そして、できたら「墨の声」をちょっと聞いて頂けたら嬉しいです。」
この作品展は来月5日まで行われています。
