人材確保が課題となる中、タクシー業界にも変化です。

7月から実施される運賃改定の背景を取材しました。

7月1日から福岡市や春日市など15の市と町でタクシー運賃が改定されます。

(改訂運賃が適用される地域:福岡市、春日市、大野城市、筑紫野市、太宰府市、古賀市、糸島市、那珂川市、宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、新宮町、久山町、粕屋町)

普通車の初乗り運賃の上限額は「1.6キロ 830円」→「1.1キロ 600円」に変更されます。

また、加算運賃は「268メートルごとに80円」→「287メートルごとに100円」となり、多くの利用で実質的な値上げとなります。

この改定について利用者からはさまざまな声が聞かれました。

◆30代
「乗れないですね、乗れないです。ちょっと頑張って歩いて限界になってからタクシー乗る」

◆90代
「痛いのは痛いけど、やっぱり全然なかったら不便でしょ。年寄りは」

◆60代
「仕方ないかな、今は。でも上がるのはいやですよね」

九州運輸局によりますと、昨年12月以降、対象地域の81事業者から運賃改定の要請があったということです。

その背景を探るため、訪ねたのは福岡市に本社を置くタクシー会社です。

約300台の車両を保有するこの会社で、ある日のドライバーの勤務に同行しました。

運転席前に設置された複数のタブレットには、配車アプリからの通知が次々と表示されます。

◆ラッキー自動車 松岡しおりさん
「(通知が)鳴ったので、今から取ります」

通知が入ると、すぐに客のもとへ向かいます。

その後も、次々と客を乗せていきます。

◆乗車客
「私、暑がりなんでもう」

◆ラッキー自動車 松岡しおりさん
「耐えきれなくて乗ってこられた?歩くにはちょっと距離ありますもんね」

この日は朝から深夜まで乗務を続けました。

◆ラッキー自動車 松岡しおりさん
「(1日の)最高は50人、50組ですね。雨が降った日は忙しくなる、おとといは40件でした」

近年はインバウンド客の増加に加え、配車アプリの普及で近距離の利用者も増え、タクシー需要は高まっているといいます。

この会社ではドライバーの数を2年間で1.5倍に増やしました。

一方で、タクシーの燃料となるLPガスの料金は、この3年で約4割上昇しました。

さらに中東情勢などの影響で、タイヤをはじめとする車両部品の価格も上昇し、タクシー業界を取り巻く環境は年々厳しくなっているといいます。

そうした中での運賃改定に、タクシー会社は―。

◆ラッキー自動車 光冨義倫 代表取締役
「(改定は)乗務員さんたちの給料に、じかに反映してくる。新たにタクシー業界を志す人にとっても非常にいい判断材料になるのでは。私たちは今まで以上に料金に見合うサービスを提供しないといけないなと、気が引き締まる思いであります」

3年ぶりの運賃改定がドライバーの待遇改善や人材確保につながるのか、注目されます。

そうした中、タクシー業界では新たな動きも出ています。

九州運輸局は6月、県内のタクシー事業者に対し軽自動車の導入を認めました。

北九州市に本社のある第一交通産業グループでは、6月以降、新たに20台の軽自動車タクシーを導入する予定で、運賃は普通車と同じになるということですが、軽自動車であれば女性や若者がドライバーとして参入しやすくなるということです。

タクシー業界も深刻な人出不足なので、業界を維持するためのこうした工夫が、長い目で見れば利用する側にとってもプラスとなりそうです。

テレビ西日本
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