SNSで農家になりすましたアカウントが、農産物の格安販売を装って金を振り込ませるなどの詐欺被害が相次いでいる。福島県のモモ農家では投稿文や画像を無断転用され、青森県ではアボカド購入をめぐり女性が9万865円をだまし取られたという。

農家の投稿を無断転用、格安販売装う

列島各地の農家から上がる怒りと不安の声。

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徳島県のイチゴ農家・大杉徹馬さん:
最初はびっくりしたんですけど、だんだん腹が立ってくる。

福岡県のキウイ農家・川島貴大さん:
怒りに近いものはありますね。頑張っているところを利用されて。

福島県のモモ農家・伊東照平さん:
実際に「詐欺ですか?」とか、疑いの声がコメントでありました。

いまSNSで農家のなりすましアカウントが横行し、金銭をだまし取られる詐欺被害も出ていた。

福島県のモモ農家・伊東照平さん:
僕のなりすましのアカウントに「だまされた」「だまし取られた」という方がいました。

被害を訴えるのは、福島・伊達市のモモ農家「桃と福」の伊東照平さんだ。

5月、SNSのフォロワーからのメッセージで、自分のなりすまし投稿の存在を知ったという。

伊東さん本人の投稿:
待ちに待った予約販売スタートまで、あと2日です。
福島から全国へ、私たちの思いと最高の笑顔をお届けしたい。

色鮮やかでおいしそうな桃が並ぶのは、5月30日、伊東さんが産地直送のため公式SNSに投稿した画像だ。

桃の画像の右下には、転用防止のため農園のマークがスタンプされていた。ところが…。

なりすまし投稿:
待ちに待った予約販売スタートまで、あと2日です。

本物そっくりななりすまし投稿
本物そっくりななりすまし投稿

SNSには全く別のアカウント名で、投稿文から画像まで伊東さんのものとそっくりそのままの投稿があった。画像についた農園マークもそのままだ。

福島県のモモ農家・伊東照平さん:
せっかく考えて作った投稿を簡単に使われてすごく悲しい思いもあったし、お客さまとの信頼関係も薄れてしまうんじゃないか。

伊東さんの元には「なりすまし投稿にだまされた」と被害を訴えるコメントも寄せられたという。

徳島・阿南市で50年続くイチゴ農家の大杉徹馬さんも、なりすまし被害を訴える。

徳島県のイチゴ農家・大杉徹馬さん:
(なりすまし投稿について)「ばあちゃんと2人でイチゴ作ってます。いくらで売ってます」みたいな感じだったんですけど、(販売価格が)圧倒的に安いですね。絶対あり得ない価格というか。

アボカド“格安販売”で詐欺被害も

農家になりすました投稿に共通する特徴が、“通常あり得ない激安価格で販売する”とのうたい文句だ。

例えば福岡の農家になりすました投稿では、キウイは1kg500円。淡路島の農家になりすましたタマネギは5kg800円など、格安で販売すると見せかけて、実際には商品が届かないなどの被害を訴える声が各地で上がっていた。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
彼らの目的はお金です。なりすましアカウントのほとんどがその後にやりとりをして、やりとりの過程でお金を振り込ませる詐欺を行っている。

三上さんは5月、調査のためSNSに数多く上がっているアボカドの格安販売をうたう投稿の一つにアクセスした。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
買いたいと連絡すると「ダイレクトメールのやりとりをお願いします」と言われてLINEに誘導された。

そのまま購入手続きを進めるとエラーが発生。「トラブルを解消するには、実名認証の手続きが必要だ」などと表示され、現金の振り込みを要求されたという。

実際にだまし取られた詐欺事件も発生している。

青森県では14日、SNSでアボカドを購入しようとした60代女性が9万865円をだまし取られる被害に遭った。

安心安全な農作物の証しとして、各地の生産者がSNS発信を積極的に行う中で横行する、農家へのなりすまし被害。

福島県のモモ農家・伊東照平さん:
今後、販売促進のために投稿してもお客さんが疑ってしまって、つながれないのではと不安な気持ちになりました。
(「イット!」6月18日放送より)