アジア最大級のLGBTQイベント「東京プライド」が2026年6月7日、東京・代々木公園で開かれた。当事者や支援者を合わせて約27万人が来場。ゲイであることをカミングアウトし、ユーチューバーとして、LGBTQの情報を発信するかずえちゃんに密着し当事者や支援者の声を聞いた。

「ただの他人」パートナーシップ制度が抱える限界

性的マイノリティの権利を啓発するアジア最大級のイベント「東京プライド」は32年前に日本で初めて開催されて以来、参加者は年々増加している。今年も虹色の旗を手にした人々が代々木公園を埋め尽くし、正午にパレードが始まった。

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会場でYouTubeの撮影を行っていたのが、福井市出身のユーチューバー・かずえちゃん。パレードに向かいながら次々と参加者に声をかける。

横浜市在住のパートナーシップ制度を取得しているカップル
横浜市在住のパートナーシップ制度を取得しているカップル

付き合って30年以上という横浜市在住の68歳と63歳のカップル。2人はすでに同性カップルを公的に認めるパートナーシップ制度を取得している。

パートナーシップ制度は、同性カップルを自治体が公的に認める仕組みだ。2015年に渋谷区で初めて導入されて以来、全国での導入自治体は560を超え、人口カバー率は93パーセントを上回る。一見、着実に広がっているようにみえるが―

パートナーシップ制度には限界が
パートナーシップ制度には限界が

横浜のカップルは、実態についてこう打ち明けた。「いま病院通っていて、病院の考慮でパートナーとして認めてもらってるんですけど…そうでなかったらただの他人になるんで、立ち会いもできないし、万が一のときに看取りもしてもらえない」。

同性婚を認めて欲しい…と訴える
同性婚を認めて欲しい…と訴える

好きな人と安心して生涯暮らしたい、という切実な声。パートナーシップ制度には、法的な効力がないのだ。配偶者控除も、相続権も、共同親権も——婚姻関係に認められる権利は、この制度では得られない。

「慣れてねってこと」Tシャツに込められたメッセージ

かずえちゃんが着ていた黒いTシャツには、ピンクの大きな文字でこう書かれていた。「WE'RE HERE WE'RE QUEER GET USED TO IT」。知り合いのデザイナーが作ってくれたという。

かずえちゃんが来ていたTシャツ
かずえちゃんが来ていたTシャツ

「私たちはここにいるよって、私たちはクィア(LGBTQを含む多様な人)だよ、だから慣れてねってこと。同性婚もそうじゃん。社会が混乱するって言うんだけど、それに慣れてくことって大事だよね」。

パレードの沿道では、同性婚を認めて欲しいと訴える人の姿が多く見らみられた。

会場には当事者だけでなく、各地から支援者も集まった。京都から来たという参加者は「自分みたいな当事者ではない人がいっぱいいたほうが、社会が変わると思った。好きな人と結婚したいと思ったときにできる仕組みは、異性婚も同性婚も等しくあるはずなので」と語った。

韓国からのカップルは、「韓国では同性婚はできない。式はできても法的な婚姻はできない」と話し「もっと生きやすい世の中になればいい」と言葉を添えた。サンフランシスコを訪れた経験のある参加者も「もっと生活しやすく生きやすい世の中になったらいいと思います」と声を寄せた。

カップルではなく、夫婦に…

同性婚をめぐっては、全国で訴訟が行われており、同性婚を認めない現行法の是非について高裁での判断が分かれている状況だ。早ければ2026年度中に最高裁の判決が出るとされ、大きな注目を集めている。

7年前から訴訟を起こしている中谷さん
7年前から訴訟を起こしている中谷さん

北海道で7年前から訴訟を起こしている原告の中谷衣里さん(34)は「配偶者控除を受けられないとか、相続ができないとか、子供を持って育てるとなったときの共同親権を持ってないとか、ほんとにたくさん困りごとがある」と訴える。「私もパートナーも年を取っていくので、早く判決を出して国会も動いてほしい」と切実な思いを語った。

パートナーシップを結ぶカップル
パートナーシップを結ぶカップル

東京都在住でパートナーシップを結ぶという40歳と35歳のカップルも「普通に税金を払っている中で、なんで男女ができることが同性でできないのか。人権が認められていないと思う」と率直な疑問をぶつけた。

パートナーシップ制度の利用状況には地域差もある。福井県内では制度導入から3年余りが経過した現在も、申請件数はこれまでに28件にとどまっている。

この数字について、かずえちゃんは「そもそも数字で測るのは難しい」と指摘する。申請するということは、カミングアウトすることを意味する。「まだハードルがあって、利用したい人が皆申請できる環境にあるわけではない。安心してパートナーシップ制度を利用できる自治体・県になっているかを考え続ける必要がある」と訴えている。

福井テレビ
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