乗客たちの、命の記録。

 電車や乗り物が大好きだった、当時7歳の凛くん。

 お母さんとカズワンに乗り、2人は行方不明になりました。

 帰ったら、お父さんと自転車に乗る練習をする。

 その約束は叶いませんでした。

 乗客の小柳宝大さん。当時はカンボジアで働いていました。

 一時帰国してカズワンに乗り、行方不明になりました。

 事故後発見された小柳さんのカメラには、あの日の知床の海が残されていました。

 宝大さんの父親。住んでいる福岡県から遠く離れた釧路市で朝を迎えました。

 「スーツからネクタイ、ワイシャツ、靴、靴下、下着にいたるまで全て宝大のもので来ています」(小柳宝大さんの父親)

 父親は、息子の服を身に着けて裁判所に向かいます。

 「『今から戦場の場に、釧路に向かうよ』と今回も言ってきました。桂田被告側と戦うような気持ちで来ております。一言一句漏らさず聞きたいなと思っております」(小柳さんの父親)

 26人を乗せた船が沈んだ責任を問う裁判。

 結果は求刑通り禁錮5年でした。

 凛くんのことを思い続けてきた父親は。

 「有罪となってほっとしている、よかったなと思っていますけれども、その反面、26人の命の重さには見合わないのかな。11歳になった息子を見たかったなって」(凛くんの父親)

 この事故で乗客の家族に寄り添い続けてきたのが、捜索ボランティアの桜井憲二さんです。

 知床半島で何度も捜索を行い、乗客の骨や遺品などを発見してきました。

 6月17日、裁判所にも足を運びました。

 「自分たちも捜索していてご遺体を発見した時の気持ちも蘇りました。まだ見つかっていない家族もいますし、見つかったにしてもひどい亡くなり方をしたので、みんな未だに強く抱えているんですよね。(桂田被告には)その責任の重さに向き合ってほしいということと、できれば控訴しないでしっかり刑に服してほしいなと思います」(捜索ボランティア 桜井憲二さん)

 判決後、桂田被告は控訴しました。

 「自分のやったこと罪を認めて責任をとってほしい」(凛くんの父親)

北海道文化放送
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