札幌弁護士会は6月16日、破産手続きで債権者平等の原則に反する行為などをしたとして、伊東秀子弁護士(82)を業務停止10か月の懲戒処分にしたと発表しました。札幌弁護士会によりますと、業務停止10か月の処分は過去20年間の処分の中で最も重いということです。

 札幌弁護士会によりますと、伊東弁護士は2024年4月、A社とC社から破産手続きに関する相談を受けました。

 A社は複数の債権者に債務を負っていましたが、伊東弁護士はC社が用立てた資金でA社がリース会社との契約を解除し、建設機械9台の所有権をC社に譲渡する手続きを進めました。

 破産法では「債権者平等の原則」として、複数の債権者がいる場合、それぞれの債権額に応じて公平に分配・弁済を受けるべきとしていますが、今回の譲渡はC社に優先的に弁済したことになり、この原則に反することになります。

 さらに伊東弁護士は、破産手続きの申し立てに関する事務を受任したにもかかわらず委任契約書を作成せず、弁護士職務基本規程に違反したとされています。

 また、破産裁判所からの照会に対し、実際には2024年4月11日にA社とC社の代表者と面談し破産手続きについて相談を受けていたにもかかわらず、「4月中旬に突然の電話で初めて接触した」などと事実と異なる内容を記載した書面を提出していました。

 このほか、A社が保有していた42社分の債権をC社に譲渡した事実について、把握した時期を実際より後だったと裁判所に報告していたことや、破産管財人に対し「卑劣極まりない行為により、当職は法律家として甚大なる信用と名誉の毀損を受けました」などと記載した抗議メールを送信したことも処分理由とされました。

 札幌弁護士会によると、今回の業務停止10か月の処分は過去20年で最も長い業務停止期間だということです。

 会見で、札幌弁護士会の佐々木潤会長は「弁護士に対する市民の方々の信頼を著しく損なうものであり、誠に遺憾であります」と話し、「弁護士会に対するご信頼を損なうこととなりましたことを、心より陳謝申し上げます」と陳謝しました。

 伊東秀子氏はこれまでに衆議院議員を2期務めたほか、道知事選にも立候補(落選)、恵庭OL事件の弁護を担当するなどしていました。

 今回の処分について伊東弁護士は「重く受け止めています。今後については、内容を精査した上で対処する所存です」とコメントを発表しています。

北海道文化放送
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