岩手県の初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」が6月13日に盛岡市などで開催され、軽やかな鈴の音がまちに響きました。
2026年に初めて馬主として参加した男性の思いを取材しました。
200年以上続く伝統行事「チャグチャグ馬コ」は、田植えで働いた馬に感謝し五穀豊穣を願ったのが始まりとされています。
2026年は65頭の馬コが参加し、この中に初めて参加する若手の馬主・鈴木翔太さん(33)がいました。
鈴木翔太さん(33)
「歴史の重みを感じながら、無事にまず歩けるよう頑張りたい」
宮城県仙台市出身で、結婚を機に5年前に滝沢市に移住した鈴木さんは、義理の父の後を継ぎ馬の飼育などを通じて障がい者の就労支援を行う会社の社長を務めています。
馬が大好きな長女・澄実花さん(4)とともに参加します。
鈴木さんの長女 澄実花さん(4)
「たのしい。(Q:最後まで乗る?)うん」
鈴木さん一家を含む馬コの一行は、滝沢市の鬼越蒼前神社を出発し、のどかな田園の中を練り歩きます。
乗り手たちが馬上から笑顔を振りまく中、馬の心地よい揺れのためか澄実佳さんは眠ってしまいました。
子どもたちのほほえましい姿と鮮やかな衣装をまとった馬コの行進、沿道の人たちを楽しませていました。
秋田県から来た人
「新鮮でしたね、馬を見るのは。カッコよかったです」
午後1時を過ぎると行列は盛岡市の中心部へ。大通の商店街などを馬コたちが彩ります。
引き手たちが沿道の観衆に感謝を伝えると、鈴木さんも緊張気味の面持ちながら手を振り続けました。
そして出発から約4時間半、一行は盛岡八幡宮に到着しました。
馬コたちと触れ合った市民は、伝統行事の魅力をかみしめていました。
滝沢市から来た人
「ずっと永遠に受け継いでいく、そういう祭りにしてほしい」
馬コの参加頭数が減少傾向にある中で馬主デビューを果たした鈴木さんには、内館茂市長から感謝状が贈られました。
鈴木さんは初めての参加をこう振り返ります。
鈴木翔太さん(33)
「足が棒のような感じはあるが、これが何百年も変わらない景色なのかと思いながら、歴史の一員となれたことに大きな誇りと喜びを感じた。毎年出馬して伝統を守っていければ」
いつまでも残したい岩手の風景、その思いは新たな世代にも受け継がれていきます。