東京電力は、福島第一原子力発電所1号機で、2011年の事故時に原子炉内の水が流れ込んで高線量化した機器からの“水抜き”作業を6月16日から開始すると公表した。
水抜きを行うのは、事故前に原子炉の関連機器を冷やすために冷却水を供給する機能を果たしていた“熱交換器”と呼ばれる設備。2011年の事故では溶け落ちた核燃料によってこれにつながる配管が破損し、原子炉内の水が流れ込んだと見られている。
高線量化しているが、今後想定される燃料デブリ取出し作業など、原子炉内での廃炉作業を安全に進めるためにも、早期の線量低減が求められていた。
熱交換器は原子炉建屋の2階にあるが、非常に線量が高く作業員は近づけない。
そのため、3階エリアに空いている穴からホースを投入し、ホースで水をくみ上げて水質を確認してから原子炉建屋内の圧力抑制室に排水する計画。
ホースの挿入、引き抜きも含めて作業員による人力での作業となり、水を汲み上げるポンプ等の設置が完了すれば遠隔での操作が可能となることから、作業員の数は進捗により前後するという。
高線量の水を移送するため、作業中は1号機の内部に立ち入り規制をかける計画で、水抜きを行う量は約20t。作業は約4か月間を見込んでいる。
東京電力は「高線量下において人力で行う難易度の高い作業であるため、何かあれば立ち止まり、安全を最優先に進める」としている。
福島第一原発1号機では、使用済み燃料プールから核燃料を取り出すための準備作業として行われている「大型カバーの設置作業」が2026年1月に完了。2027~2028年度にプールの中の核燃料取出しを開始する計画となっている。
一方、事故で溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」については、1号機ではまだ取出し方法の具体的な検討に至っていない。
福島第一原発について、国と東京電力は2051年までの廃炉完了を掲げている。