中東情勢の緊迫による「ナフサ供給不足」の影響で、石油由来のナフサを原料とする食品トレーが6月から業界全体で一斉に値上げされた。一方で、スーパーマーケットには食品トレーの回収ボックスが設置されていることが多く、その行方が気になるところ。そこで、この回収ボックスに集まった食品トレーがどのようにしてリサイクルされているのか、リサイクル事業に力を入れる大手食品トレーメーカーの工場を取材した。
使う人の協力あってのリサイクル
山形・寒河江市の工業団地にある食品容器メーカー大手「エフピコ」の工場。
ここには、山形県内165店舗・東北6県合わせて1087店舗のスーパーから回収された大量の使用済みの食品トレーが山積みになるほど集められ、仕分けされてリサイクルされる。

エフピコサステナビリティ推進室・冨樫英治GM:
山形選別センターには、1日に3~3.5トンぐらい、枚数にすると1日に75万枚集まります。

エフピコは、1990年から使用済み食品トレーを回収しリサイクルする取り組みを続けている。
山形選別センターでは、作業員が大量のトレーを、白と色つきのものに分ける選別作業を手作業で行っている。

障がいのある人材も活躍
エフピコのリサイクルを支える最も重要な工程とされるこのトレーの選別作業は、主に障がい者人材が担っている。

目の前にあるベルトコンベアで次から次へと運ばれてくる食品トレーを、色で見分けて仕分ける、一人ひとりの“続ける力”が貴重な戦力になっているという。

このように、エフピコでは障がいのある人材が活躍している。
グループ全体の障がい者雇用人数は401人、雇用率は12.6%(2025年3月末時点)。
1日の作業目標を立てて共有し、それを達成すること。みんなで一緒に作業をすること。工場・選別センターに見学者が訪れた時は“見られる”こと。これらすべてが、障がい者人材にとってのモチベーションアップにつながっているという。

製造している半分がリサイクルトレー
山形選別センターでは選別したものを圧縮する工程までが行われ、その後は茨城の工場に運ばれて洗浄・粉砕などの工程を経て「リサイクルトレー」に生まれ変わる。
エフピコが製造している食品トレーの、実に半分が「リサイクルトレー」だという。
また、冨樫GMによると、「エフピコが販売している四角い汎用トレーのうち、約3割・30%が回収できている」という。

中東情勢の悪化による原材料費の高騰を受け、エフピコは6月から食品トレーを20%値上げした。
それでも、発泡トレーのリサイクルをすることで、新しい原料いわゆる原油由来・ナフサ由来の原料を使わずに済む。
市場から回収した使用済みのトレーを再生原料にして再びトレーを作るため、リサイクルが多い分ほかのメーカーに比べると値上げ幅は大幅に抑えられているという。

効率的で無駄のないリサイクル
不透明な中東情勢が続く中、エフピコは資源の節約になるこのリサイクルの取り組みをさらに強化していきたいと考えている。
たくさんの使用済みトレーをリサイクルできるのは、それを使う人・売る人・運ぶ人・作る人、それぞれの協力があってこそ。

食品トレーを含む品物を“運ぶ人”が納品した帰りの便を活用し、スーパーなどで回収したトレーを引き取り一時保管。
エフピコが食品トレーを配送した帰りの便で、“運ぶ人”が一時保管しているトレーを引き取り、リサイクルトレーとして再生・生産する。
このように、空のトラック便を作らないことで、環境負荷の少ないエコなリサイクルを実現している。

冨樫GMは、「“資源循環”という言葉に尽きる。消費者の協力がないと、このリサイクルは成り立たないので、ぜひ買い物のついでにスーパーマーケットの店頭の回収ボックスにトレーを持ってきてほしい」と話す。
我々消費者が食品トレーをごみに出すのではなく、洗って回収ボックスに入れるというひと手間が“資源循環”につながり、最終的には私たちの生活に帰ってくることを知ってほしい。
<工場見学>
全国に9カ所あるリサイクル工場・選別センターでは、無料で、個人・団体の見学を受け入れています。
月曜~金曜(祝日除く)午前9時~12時、午後1時~4時半
※工場・センターによって1団体あたりの最大受け入れ人数・受け入れ時間が異なる場合があります。申し込みの際、各工場・センターにご確認ください。
インターネットで〔エフピコ 工場見学〕で検索。
(さくらんぼテレビ)
