日銀は来週、金融政策決定会合を開き、1%程度への利上げを決める方向で議論するとみられる。利上げに踏み切れば2025年12月以来で、政策金利は31年ぶりの高さになる。
私たちの家計にも大きな影響を与える金利の引き上げは行われるのか。フジテレビの智田裕一解説副委員長に話を聞いた。
大きな理由は「物価高の抑制」
日銀は来週の会合で、政策金利を現在の0.75%から1%程度に引き上げる見通しが強まっている。今、利上げする大きな理由は、「物価高を抑える」ことだという。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
中東情勢が悪化するなか、日銀は物価が上がるのを抑えるため“金利を引き上げる”のか、それとも、景気を冷やさないようにするため“金利を据え置く”のか、どちらが適切なのかを見極めてきました。物価上昇が幅広い品目に及ぶなかで、景気が下向くリスクよりも物価が上昇するリスクのほうを重く考えないといけない。そんな判断が働いているとみられます。
利上げのメリットとデメリット
利上げが行われた場合、一般的に、メリットとしては、物価上昇を抑えられること、銀行預金の利息が上がることなどが挙げられる。一方で、デメリットとしては、景気が冷え込む可能性があること、住宅ローンの金利が上がり負担が増えることなどが挙げられる。

利上げは物価高を抑える狙いがあるということだが、利上げでなぜ物価が下がるのか。金利が上がると企業や個人がお金を借りにくくなる。住宅ローンの金利が上がれば負担が増える。お金を借りにくくすることで、世の中に出回るお金が減っていく。そうすると、モノやサービスを買う動きが抑えられ、結果的に、物価が落ち着くという。
実際に利上げをしたとして、物価高を抑えることはできるのか。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
市場関係者の間で上がっているのが、日銀が物価情勢に遅れることなくタイミングよく適切に対応できているのだろうかという指摘です。前回4月に日銀は利上げを見送りましたが、政策を決める9人のうち3人は利上げを主張していて、多数決で金利を据え置くことにしました。
金利を維持した前回の判断からは変わって、今回は利上げに踏み切る見通しが強まったわけですが、市場関係者からは「物価抑制に向けた日銀の政策はすでに後手に回っている」との声も上がっています。
利上げしても物価高を抑えることができなかった場合、さらなる利上げということもあるのか。

フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
市場の関心は、今後日銀が利上げをどう進めるかに移っていて、さらなる利上げをどの時点で実施していき、最終的にどの水準まで金利を引き上げるのかに視線が集まっています。
原油価格の高止まりが続く可能性が指摘されるなか、物価と景気の両方に目配りした金融政策をタイミングを逸することなく進められるか、日銀は難しいかじ取りを迫られそうです。
(「イット!」6月10日放送より)
