政府は9日朝、こども政策推進会議を開き、子どもの自殺対策強化などを盛り込んだ今年度の「こどもまんなか実行計画」を取りまとめた。

「こどもまんなか実行計画2026」は、2025年の小中高生自殺者数が前年より9人増え、過去最多の538人にのぼったことを「極めて深刻な現実」と評価したうえで、2024年度の「いじめ重大事態」の発生件数が1404件(前年比+98件)、不登校児童生徒数が35万3970人(前年比+7488人)、児童虐待の相談対応件数が約22万3000件だったことを挙げ、「こどもを取り巻く状況は依然として深刻である」と指摘した。

高市総理大臣は、9日の「こども政策推進会議」で、「子ども・若者の自殺は重く受け止めるべき深刻な課題だ」と危機感をにじませ、SOSを発している子どもたちの確実な支援につながる体制を整えるよう、関係閣僚に指示した。

「こどもまんなか実行計画」は、「安全・安心な生活環境の中で、信頼できるおとな・友人との関係構築、学び、コミュニティへの所属感の獲得等の『肯定的な体験』を増やすことが必要だ」とした。

インターネットについて、「学びの機会や居場所になっている」と認めたうえで、「ネット上のいじめ」「アルゴリズムによる情報提供」「ネット利用の低年齢化・長時間化」などを対応すべきリスクとして挙げ、青少年インターネット環境整備法の在り方などについて、今年度中に具体的な取り組み内容を取りまとめるとした。

自殺対策としては、「ICT(情報通信技術)・AI(人工知能)活用の検討を含め自殺リスクの早期発見、多角的な要因分析等を通じ、予防と支援の一体的実施と、1人も取り残さない相談体制の構築を推進する」と掲げ、具体策として、学校が配布しているタブレット端末を使った「心の健康観察」の導入を促進する。

また、「自殺未遂歴は自殺の最大の危険因子だ」として、若年層の自傷・自殺未遂の手段として多発している「オーバードーズ(=市販薬などの過量服薬)」対策を進める。

自殺対策以外にも、家族の介護や日常生活の世話を過度に担わされている「ヤングケアラー」や保護者の思想信条等を背景とするなど、「自覚しづらく支援を求めづらい状況にあるこども」を支援するため、「こども家庭センター」の設置促進と機能強化を図る。

文部科学省や厚生労働省が公表しているデータによると、大学等進学率は全世帯では7割を超えるが、生活保護世帯に限ると4割弱となっている。

今年度の「こどもまんなか実行計画」は、生活困窮世帯・生活保護世帯の子どもに対し、「学習支援、生活習慣や養育環境の改善、進路選択・奨学金活用の助言等の包括的支援を行い、進学・就職準備給付金等で自立移行を後押しする」とした。

医療的ケア児、聴覚障害児、強度行動障害など専門的支援が必要な子どもへの支援も明記し、「全国で質の高い障害児支援の提供が図られるよう、研修体系の構築に向けた教材の作成等の支援人材の育成・確保等に取り組む」としている。

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