一向になくならない特殊詐欺の被害。
詐欺グループは私たちの生活リズムや社会のトレンドに合わせてその手口を更新し続けている。
いま、「ニセ社長詐欺」や「宇宙ロマンス詐欺」まで、様々な詐欺の手口が出現しているというのだ。
詐欺・悪徳商法ジャーナリストの多田文明氏は、「AIなどを使って巧妙化しており、私たちの心理の状況にうまくつけこみながら手口を変えている」と警告する。
さらに、詐欺の手口を知り尽くす多田氏になんと“ニセ警察官”から電話が!
■番組スタッフにも届いた「ニセ社長詐欺」メール
ゴールデンウィーク前に話題となったのが、「ニセ社長詐欺」と呼ばれる手口だ。
詐欺グループがその会社の社長になりすまし、社員にメールを送りつけてくるもの。
実際に、「旬感LIVE とれたてっ!」のスタッフの会社に届いたメールでは、送り主に本物の社長の名前が使われていた。
内容は「業務連絡を効率的に行うため、自身のLINEのQRコードまたはIDをメールでこちらに返信してください。以降はLINEで連絡をとりましょう」というものだった。
多田氏によると、自身のLINEを教えてしまうと、「急遽お金が必要になったんで、ここに振り込んでくれ」などと会社の業務上の支出を装って振り込みを求めてくるという。
なぜ社長の名前や取引先の情報が詐欺グループに知られているのか。
多田氏は「企業が色々なサイバー攻撃にあって、取引先の情報とか全部抜かれているケースが多い」と述べた。
■この時期は“税金”をかたるメールにも注意を
ゴールデンウィークなどの長期休暇で会社メールを確認する社員が少ないときは、詐欺グループは標的を個人に切り替えると多田氏は説明する。
カード会社を装った偽メールが一斉に送られ、クリックすると「未納分がある」とキャッシュレス決済に誘導してお金をだまし取ろうとする手口が増えるそうだ。
また、この時期は自動車税の納付時期と重なるため、“税金”をかたるメールにも注意が必要だと多田氏は指摘する。
■「宇宙ロマンス詐欺」とは
多田氏によると、詐欺グループは社会のトレンドに敏感で、現実のニュースをうまく悪用して新手の詐欺をしているという。
トレンドに便乗して被害が発生しているのが「宇宙ロマンス詐欺」だ。
ことし4月には約54年ぶりに有人で月の裏側への周回飛行が実現。
5月にはアメリカ国防総省がUFOに関する情報を公開するというニュースも注目されたこともあり、詐欺グループはこうした宇宙関連のニュースを巧みに利用し、宇宙飛行士を名乗ってメッセージを送りつけてくるのだ。
その内容は「NASAから退職金1億円が入るんだよね」「税金対策のため僕と夫婦になってほしい」「1億円あなたに送るのに送料の150万円がかかるから肩代わりしてくれないか」というもの。
「地上に帰ったら結婚しよう」などといった言葉で恋愛感情を育てながら、最終的に金銭を要求してくるのがこの詐欺の構造だ。
実際に被害が発生しており、80代の女性が「宇宙船が攻撃を受けて、いま酸素が足りない。お金を振り込んでくれたら酸素が供給できる」という言葉を信じて送金してしまった事例もあるという。
■詐欺対策の専門家のもとに“ニセ警察官”から電話が…
そんな詐欺の手口を知り尽くす多田氏の元にも、「銀行口座の売買に関与したのではないか」と疑う内容で“警察官を名乗る男”から電話がかかってきた。
相手は何度も多田氏の名前を口にすることで、心理的な不安を煽ってくる。
さらに「もし事件の一部を関係ない第三者に漏らした場合は『秘密漏えい』」と告げることで、周囲に相談できない状況を作り出そうとしてきたと多田氏は説明する。
“ニセ警察官”は「信号検査」という捜査にありそうな言葉を使ってきますが、多田氏は「『信号検査』という言葉はありませんので、これが出たら詐欺ワードだというふうに思ってください」と強調した。
その後、相手はウェブ会議アプリへの接続を指示してきた。ミーティング名には「北海道警察本部」と表示が。
■ニセ警察官を追い詰める多田氏
ここから多田氏が“ニセ警察官”を追い詰める。
多田文明氏:そこ(電話の発信場所)って海外ですか?これ詐欺ですよね?
ニセ警察官:なぜそう思われるんですか?
多田文明氏:手口知ってるから。
ニセ警察官:私、北海道にいるんですけれども。
多田文明氏:騙されたフリしてあげてもいいんだけども、結構ノルマ大変ですか?
ここで通話は一方的に切れた。
詐欺グループはAIを活用することで私たちの心理や生活リズム、社会的なニュースを徹底的に研究しながら手口をアップデートしているため、注意が必要だ。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年6月2日放送)
