プレスリリース配信元:SDEパートナーズ株式会社
~SDEパートナーズ、1,000名規模の「生成AIツール活用実態調査」を発表~
昨今、多くの企業で生成AIツールの全社導入が進み、ビジネスの現場において標準的なインフラへと移行しつつある一方で、「『全社標準生成AIツール』が提供する機能」と「現場の業務ニーズ」との乖離により、現場が独自に生成AIツールを使い分ける実態が加速しています。
そこで、SDEパートナーズ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:河村 泰幹)は、従業員300名以上の企業に勤務し、業務で生成AIツールを利用している会社員を対象に「国内法人における主要な生成AIプラットフォームの市場シェア、部門別・職種別の生成AIツール活用深度&使い分けの実態」に関する調査を行いました。
【調査期間】2026年3月18日(水)~2026年3月23日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,014人
【調査対象】調査回答時に従業員300名以上の企業に勤務し、業務で生成AIツールを利用している会社員と回答したモニター
【調査元】SDEパートナーズ株式会社(https://sde-partners.com/)
【調査結果サマリー】
- 全社標準ツールとしての導入シェアは「Microsoft Copilot(45.3%)」「ChatGPT(45.0%)」「Google Gemini(28.3%)」の順で上位を占めた
- 全社標準生成AIツール利用者の80%以上が『機能や精度が実務レベルに達していない』と感じている
- 70%以上の利用者が、全社標準生成AIツール以外のプラットフォームを併用している
- 併用率では「ChatGPT(51.3%)」「Google Gemini(41.2%)」「Microsoft Copilot(30.1%)」「Anthropic Claude(19.4%)」の順となり、『全社標準としての生成AIツール』と『実務で利用される生成AIツール』の二重構造が生じている実態が示された
本リリースでは、導入シェアの数字だけでは見えない職種ごとの活用の深度や、組織の生産性を左右する「個別最適化のボトルネック」に関する最新の調査結果を公開いたします。
【調査結果1】法人導入シェアの現状
~Microsoft Copilot、ChatGPTの2強をGoogle Geminiが追う展開~
まず、全社標準生成AIツールとしての導入状況を調査したところ、法人市場における「プラットフォーム争い」の現状が明らかになりました。

シェアのトップは『Microsoft Copilot(45.3%)』、次いで『ChatGPT(45.0%)』と、この2つのツールがほぼ同率の結果となりました。
Microsoft 365等のビジネスアプリケーションに統合されたMicrosoft Copilotが標準インフラとして普及する一方で、特定のプラットフォームに依存しないChatGPTが、依然として法人市場において強固な支持を得ていることが分かります。
一方、『Google Gemini(28.3%)』は約3割に留まっており、Google Workspaceユーザーを中心に普及しているものの、上位2社を追う展開となっています。また、『Notion AI(8.5%)』や『Anthropic Claude(7.7%)』なども一定のシェアを占めている現状が明らかになりました。
【調査結果2】活用の深度と業務内容の実態
~生成AIツールは「個人の時短ツール」から、「組織的な業務変革」での活用へ~
では、全社標準として導入された生成AIツールは、具体的にどのような業務で活用されているのでしょうか。

上記調査結果の通り、『メール・各種文書の作成・添削(50.1%)』、『資料の構成案・骨子の作成(46.0%)』、『議事録作成・情報の要約(41.8%)』がトップ3を占めました。
定型的な文章作成や情報の整理など、個人の事務作業を効率化する「汎用的な補助機能」としての利用が浸透している実態がうかがえます。
では、活用の深度はどうでしょうか?
回答者の所属部門における活用の深度を5段階で評価しました。

調査の結果、『レベル1【補助】(23.1%)』と『レベル2【定着化】(29.8%)』の合計が52.9%と、生成AIツールを個人レベルのタスクの時短に活用する層が過半数を占め、多くの企業において、AIは「個人がたまに使う」あるいは「個人の時短ツール」として浸透してきているようです。
一方で、プロンプトが共有されチームの業務フローに生成AIツールが組み込まれている『レベル3【標準化】』以上の段階に達している層も全体の約4割(44.1%)となり、組織的な業務変革に生成AIツールが活用され始めている実態が見えてきます。
さらに、『レベル4【高度化】(13.7%)』や、『レベル5【自動化】(5.4%)といった、高度な活用を実現できている企業は現時点では限定的であるものの、AIエージェントが実用フェーズへ移行する中で、業務の高度化・自動化へとシフトする企業が増加していくのも、時間の問題かもしれません。
次に、活用の深度を職種別に分解するとどうでしょうか?

活用の深度を5段階でスコアリングし、職種別の平均値を算出しました。
その結果、職種によって活用の「成熟度」に明確な差があることが判明しました。
情報システム・IT(2.7)と法務(2.6)が全体を牽引
全職種の中で最もスコアが高かったのは『情報システム・IT(2.7)』でした。次いで、『法務・コンプライアンス(2.6)』となりました。
技術的な理解が深いIT部門だけでなく、文書作成や契約審査など、テキスト解析のニーズが極めて高い法務部門においても生成AIツールが実務プロセスに深く入り込み、他職種よりも一歩進んだ活用ステージにあることがうかがえます。
経営・マーケティング層(2.5台)の先行
『経営企画・事業戦略(2.5)』および『マーケティング・広報・企画(2.5)』がそれに次ぐ上位グループを形成しています。戦略立案やコンテンツ制作など、クリエイティブかつ論理的なアウトプットを求める職種において、AIを「思考のパートナー」として活用する動きが定着しつつあるようです。
経理・財務・会計(2.0)における活用の難しさ
全職種の中で最もスコアが低かったのは『経理・財務・会計(2.0)』でした。
1円単位の正確性が求められ、かつ数値データを主に扱う職種においては、現在の汎用的な生成AI(LLM)の特性(ハルシネーションのリスク等)がハードルとなり、実務への導入が慎重、あるいは限定的になっている現状が浮き彫りになりました。
【調査結果3】全社標準ツールとしての限界と「実務レベル」の壁
~全社標準生成AIツール利用者の8割以上が機能不足を実感~
今回の調査で最も注目すべき結果となったのが、全社標準生成AIツールに対する実務上の評価です。

全社標準生成AIツールを利用する中で、『「機能や精度が実務レベルに達していない」と感じることがあるか』という問いに対し、『頻繁に感じる(24.3%)』と『たまに感じる(58.7%)』を合わせると83.0%に達しました。一方で、『全く感じない』という回答はわずか2.0%に留まっています。
実務レベルへの到達感の低さから、企業のAI投資と現場の生産性に対する寄与が必ずしも比例していない現状が浮き彫りになりました。
では、職種別に見るとどうでしょうか?

文脈の理解が求められる経営企画やマーケティング職種では約9割が機能不足を感じています。
一方、経営・役員層は不満を感じる割合が相対的に低く、現場との認識に乖離が生じている可能性が示されました。
さらに、『機能や精度が実務レベルに達していないと感じる』と回答した方に、どのような点に課題を感じるかについて聞いてみました。

結果、具体的な課題は、『社内システム・ツールとの連携不足(43.3%)』が最多となりました。
Microsoft 365やGoogle Workspaceといった既存プラットフォームの延長線上で導入したものの、実務で日常的に使用する専門ツールや社内独自のシステムとの分断が、現場の負担になっている様子がうかがえます。
【考察:“インフラ導入”と“実務実装”の決定的な差】
多くの企業が全社員に一律のライセンスを配布することで生成AIツールの導入を完了したと考えがちですが、『機能や精度が実務レベルに達していない』と感じているユーザーが83.0%にのぼったことから、「一律導入」だけでは現場の個別具体的な業務ニーズや課題をすくいきれていない実態がうかがえます。
特に『社内システム・ツールとの連携』が課題の筆頭に挙がっている点は重要であり、生成AIツールを単なるチャットツールとしてではなく、実業務のプロセスへの組み込みが進んでいないことが、現場が「実務レベルに達していない」と感じる大きな要因になっている可能性があります。
【調査結果4】シャドーAI化する「併用・使い分け」の実態
~「会社支給」より「実務の成果」。7割以上が全社標準生成AIツール以外を“自衛的併用”~
次に、全社標準生成AIツール以外の併用・使い分けの状況を調査しました。

前述のとおり、全社標準生成AIツールに対する満足度が低い中、全社標準生成AIツール以外を『日常的に利用・併用している(30.0%)』、あるいは『特定の業務で併用している(40.3%)』層は、合わせて70.3%に達しました。
実に7割以上の利用者が、全社標準ツールのみならず、複数のプラットフォームを併用している実態が明らかになりました。
では、具体的には、どの生成AIツールを利用・併用しているのでしょうか?

最も選ばれているのは『ChatGPT(51.3%)』であり、個人利用における圧倒的なデファクトスタンダードとしての地位を、企業内における活用でも維持している状況です。
しかし、注目すべきは2位以下の動向です。
『Google Gemini(41.2%)』が約4割と、全社標準ツールとしての導入シェア(28.3%)を大きく上回る高い支持を得ています。
また、『Anthropic Claude(19.4%)』も約2割に達しており、特定のビジネスエコシステム(MicrosoftやGoogle)に属さない独立系AIが、実務の現場で確実に存在感を高めている実態が浮き彫りになりました。
一方で、『Microsoft Copilot』が全社標準ツールとしての導入率(45.3%)で首位ながら併用率では30.1%に留まっており、「全社標準だから使う」ツールと「わざわざ自分で選んででも使いたい」ツールとの間に乖離が生じている可能性が示されました。
これらの結果から、「全社標準ツールの一律配布」で満足するのではなく、GeminiやClaudeといった、現場が真に必要とするツールを安全かつ組織的に運用するための「マルチプラットフォーム化」を軸とした活用環境の整備が必要となっていると考えられます。
さらに、全社標準とは別のツールを利用・併用したい理由を聞いてみました。

全社標準生成AIツール以外を併用・希望する理由として、『外部アプリ・ツールとの連携の容易さ(33.1%)』、『高度な思考・論理構築力(30.7%)』、『回答の精度・信頼性の高さ(29.6%)』が上位に挙がっています。
【考察:外部アプリやツール利用の常態化とガバナンスの形骸化】
7割を超える高い併用率は、現場が会社が認めたツールを使うことよりも、目の前の業務で成果を出すことを優先している結果と言えます。
しかし、IT部門の管理が及ばないツールを利用することで起こる、ガバナンスの形骸化といった新たなリスクを顕在化させる一因ともなり得ます。
特筆すべきは、併用理由として「思考力」や「精度」といったAIの核心的な能力が選ばれている点です。これは、コード生成や複雑な論理構築などの特定の業務において、全社標準生成AIツールが現場の要求スペックを満たしていないことを示唆しています。
これらの結果から、企業は「一律禁止」による統制ではなく、職種や業務の特性に応じて最適なツールを安全に利用できる「マルチAI活用」を前提とした制度設計へ舵を切るべき局面に立たされているのではないでしょうか。
【調査結果5】最適化が進まない組織のボトルネック(原因)
~生成AIツール活用の「足踏み」を生む要因。セキュリティ、人材不足、そして“トップダウンの弊害”~
現場が全社標準生成AIツールの機能に不足を感じて自衛的に併用を進める一方で、なぜ組織としての「職種別・部門別最適化」は進まないのでしょうか。
その要因を調査したところ、日本企業が直面する根深いボトルネックが浮き彫りになりました。

最適化を阻む理由として、全職種で共通して上位に挙がったのは『セキュリティ・ガバナンスへの懸念(38.3%)』『専門人材の不足(34.5%)』『情報過多(26.9%)』そして『トップダウン(による一律導入)の弊害(26.1%)』です。
セキュリティや人材確保といった運用・環境面のハードルが上位に並ぶ一方で、今回注目したいのが組織の導入プロセスに起因する課題です。
特に『トップダウン(による一律導入)の弊害』については、現場の業務実態を詳細に把握しないまま「全社一律」のルールやツールを適用した結果、現場の創意工夫や高度な活用を難しくしている可能性も考えられます。
【提言】生成AIツールの「活用の二重構造」を解消する2つの処方箋
今回の調査結果から、生成AIツール活用の「全社導入というインフラ整備」は完了したものの、その先の「実務への深い浸透」における、大きな踊り場に差し掛かっている現状が炙り出されました。
現場が全社標準生成AIツールに限界を感じ、自衛的に別ツールを併用する「活用の二重構造」は、生産性の向上を阻むだけでなく、ガバナンスの形骸化という新たな課題につながる可能性もあります。
これらに対し、企業は以下の2つの方向性で、生成AIツール活用における「実務レベルの最適化」を進めるべきではないでしょうか。
1. 職種・業務特化型の「個別最適化」の促進
今回の調査で、全社一律のプラットフォームですべての業務をカバーしようとすることには限界があることがわかりました。
例えば、高度な論理構築が求められる戦略部門には「Claude」や「GPT-4o」を、マニュアルや過去の応対履歴から即座に正解を導き出す必要があるカスタマーサクセス部門には社内ナレッジと高度に同期した「RAG(検索拡張生成)基盤」の優先的な構築を、デザインやコンテンツ制作を担うクリエイティブ部門には「Adobe Firefly」や「Midjourney」といった具合に、職種の「専門性」と「要求スペック」に合わせたツールの選択・配置が、今後の生成AIツールの活用における重要な鍵となりそうです。
2. 全社標準ツールの「ポテンシャル最大化」
一方で、現在導入されている全社標準生成AIツール(Microsoft Copilot、Google Gemini等)の能力を現場が100%引き出せているかという点にも向き合う必要があります。
単なるライセンス付与による導入で終わらせず、各ツールの最新機能や業務文脈に即したプロンプトエンジニアリングの手法などを、部門ごとに「活用促進アンバサダー」を任命するなどの施策により実践的に周知・習得してもらうことで、既存資産としての全社標準生成AIツールの活用効率を高めることが期待できます。
このように、新たな生成AIツールを導入する前に、全社標準ツールの「使いこなしの解像度」を上げる施策に対する投資もまた、有効な戦略となるのではないでしょうか。
SDEパートナーズのコンサルティングサービスについて

今回、「部門別・職種別の生成AIツール活用深度と、現場の使い分け実態」に関する調査を実施したSDEパートナーズ株式会社(https://sde-partners.com/)は、企業活動における戦略立案(Strategy)から意思決定(Decision)、そして実行(Execution)までを一貫して「伴走者」として支援するプロフェッショナルファームです。
■ 主な提供サービス
DX・生成AI活用促進:本調査で浮き彫りとなった「現場ニーズとの乖離」を解消し、各種施策を企画・推進することにより職種別の個別最適化や全社標準ツールのポテンシャル最大化を支援します。
経営戦略・組織改革:「思考」を「実行」に変換する。企業の停滞を打破し、持続的な成長サイクルを再構築します。
新規事業の企画・立上げ:0から1を「絵空事」にしない。不確実な市場で勝ち筋を見出し、最短距離で事業を立ち上げます。
M&Aアドバイザリー・仲介:方針立案からM&A候補先企業の特定、企業価値算定、契約締結、さらに統合後のPMIまで、専門性の高いサポートを一気通貫で行います。
プロジェクトマネジメント・PMO支援:「管理」だけで終わらせない。複数の複雑なプロジェクトを横断的に統制し、停滞を打破して計画を確実に「完遂」へ導きます。
組織の変革や次なる成長戦略に、確かな「実行力」を。業界を問わず、新たな価値の創造を目指す企業様のベストパートナーとして共に走り続けます。
本調査の詳細なレポートや、貴社の状況に合わせたAI活用・経営のご相談については、公式サイトよりお気軽にお問い合わせください。
■ 会社概要
社名:SDEパートナーズ株式会社
所在地:東京都港区南青山2-15-5 FARO 1F
代表者:代表取締役 河村 泰幹
設立:2013年8月
事業内容:経営コンサルティング、M&Aアドバイザリー・仲介、新規事業の立ち上げ・インキュベーション
公式サイト:https://sde-partners.com/
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