2024年10月、北海道江別市の公園で大学生の長谷知哉さん(当時20)が男女6人から集団暴行を受けて死亡した事件。
札幌地裁では強盗致死などの罪に問われている川村葉音被告(21)ら3人の裁判員裁判が続いている。
■金品強奪を意図した後の激しい暴行
これまでの裁判で、長谷さんの遺体を司法解剖した医師は「被害の顔や頭部全体に出血があり、数十回以上の打撃が加えられていた考えられる」と、暴行の凄まじさを証言した。全身の血液量の20~30%を失っていて、死因は外傷性ショックだった。
さらに医師は「意識障害は終盤の暴行で発生したと考えられる。その直後に救急車を呼び、専門の病院で輸血などの処置を受けていれば、かなり高い確率で助かっていた。ただし脳に障害が残っていたかもしれない」と述べた。
検察側は、長谷さんが頭部を中心に全身に傷害を負い、皮下出血や筋肉内出血のほか、右の腎臓からの出血も確認されたと指摘。致死量の出血により死亡したことから、長時間かつ多数回の暴行が積み重なり致命傷に至ったと指摘。
そのうえで、金品を奪う意図が生じた後の暴行が特に激しく、死因となった外傷性ショックにつながったとして、強盗致死罪が成立すると主張した。
これに対し札幌地裁は3日、金品を奪う意図が生じたあとの暴行が長谷さんの死亡につながったと認定し、「強盗致死罪」が成立するとの中間判断を示した。
■川村葉音被告の両親は
一方、この日の裁判では川村被告の両親が出廷し、事件後の被告とのやりとりについて証言した。
父親は冒頭、「被害者とご遺族に多大な迷惑をかけてどうもすみませんでした」と謝罪。遺族の心情について「同じ親として、はらわたが煮えくり返るような思いだと思います。本当に申し訳ないことをしたと思っています」と声を振るわせながら語った。
母親も涙ながらに、「被害者のご家族には本当に申し訳ない。その一言しかありません」と謝罪した。
両親は事件直後に川村被告に会っていた。その時の様子を父親は「後になって気が付いたが、かなり落ち込んでいた」と語った。
弁護側から「川村被告が高校時代にいじめを受けた際、『やられたらやり返せ』と指導していたのか」と問われると、父親は「殴られたら殴り返せと話していた」と述べた。
6月5日の公判では、川村被告に対する検察側の求刑が予定されている。