26日、辞任を発表したプロ野球・巨人の阿部慎之助前監督。
きっかけは、娘が生成AIに相談したことだった。使用者本人すらも驚く事態を招く、AI時代に潜む落とし穴とは。
■『チャットGPT』に相談し、児童相談所に電話したという阿部前監督の娘
25日夜、自宅で18歳の娘を押し倒すなど暴行を加えた疑いで現行犯逮捕され、その後、釈放された阿部前監督。
警察の調べに対し、「姉妹がケンカをしていて静かにさせようとしてカッとなった」などと話したということだ。
そして、会見で読み上げられたのは、娘が寄せた手紙だった。
阿部前監督の娘の手紙:まず暴力に関しましては、殴る・蹴るなどといった事実はございませんでした。父とのこのような大がかりなけんかというのは初めてのことであり、『チャットGPT』に相談した結果、『匿名で相談できる児童相談所というものがありますよ』という形での説明書きがなされ、それでお電話をさせていただきました。

■「警察が来て一番驚いているのは自分自身」と阿部監督の娘
生成AIである『ChatGPT』に相談し、児童相談所に電話したという阿部前監督の娘。しかし、事態は思わぬ方向に進む。
阿部前監督の娘の手紙:“どうしたらいいか”といった私自身の意向は聞かれることはなく、警察に通報されるといった形になってしまいました。警察が来て一番驚いているのは自分自身ですし、父が警察に連行された姿を見て、目前で私は泣き崩れてしまいました。
父が逮捕されたという状況に、自身も驚いたと心境を明かす。

■「安心する言葉がほしい時はチャットGPTを使う」と街の人
思わぬ事態につながった生成AIへの相談。今、生成AIはどのように利用されているのか、街の人たちに聞いた。
街の人:安心する言葉がほしい時はチャットGPTを使います。人に相談している感じがある。
街の人:親がよく便利だからって使って。体調悪くなったりしたときに(生成AIで)いろんな情報出てくるのを手当たり次第試していく。
交際相手が浮気していないか確かめる方法を相談したという人もいた。
街の人:友達に言ってもだるいかなと思って。チャットGPTに言って、『うわ、それ不安になるよな…』と(チャットGPTが)聞いてくれるからこっちも言っちゃう。絶対否定してこないし。

■1年で生成AIの利用率はほぼ倍増 ひやりとした経験談も
“寄り添ってくれる”答えが好評な生成AI。NTTドコモモバイル社会研究所が全国の15歳から69歳を対象に行った調査によると、生成AIを使う人の割合は去年2月に27%だったのに対し、今年2月には51%と、ほぼ倍増したことがわかった。
そんな中、生成AIを活用する人からは、ひやりとした経験談も聞かれた。
街の人:文書を送付する時、Gemini(生成AI)とかに考えさせるともう相手の心を刺すような文面出したりするんですよ。それ(文章)をそのまま出すと間違いなく相手は激高してます。だからそういうところは自分でコントロールしないといけない。

■“自分の生き方”を相談すると「思いがけない結果になってしまうケース」
落とし穴もある生成AI。専門家も、その利用が思いがけない結果につながる恐れがあると指摘する。
大阪教育大学 向田識弘特任准教授:(海外では)自分の生死に関わる相談をした時に、生成AIへの回答によって自死をしてしまう。(相談内容が)“自分の生き方”だと、思いがけない結果になってしまうというケースがあります。
危険性も指摘される生成AIの適切な使い方については、次のように話す。
大阪教育大学 向田識弘特任准教授:生成AIにアドバイスを求めるところは、いろんな考えを引き出す意味ではメリットも大きいと思います。
ただ、それをうのみにして行動するというよりかは1度立ちどまっていろんな選択肢の中から最終的には自分が考えて行動することが、これからも生成AIとの向き合い方で必要になってくるんではないかと思っています。
AI時代の今、どう利用していくべきなのか考える必要がある。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年5月27日放送)

