日本維新の会の吉村洋文代表は、来年春の統一地方選挙と大阪都構想の賛否を問う住民投票が同時に行われることを条件に、大阪府知事選挙への出馬を表明した。
一方、「『大阪都構想』のメリットがよく分からない」、「2回否決されて3回目の住民投票をやるのはなぜ」「『副首都法案』と都構想の違いがよく分からない」といった声も上がっている。
19日放送の関西テレビ「newsランナー」に出演した吉村代表は、「連立政権に入った」ことが大きな転換点として、都構想について「6年前に言ったことと違うことをしていることも、恥を忍ぶわけですけど、大阪の未来を考えると絶対にやるべき」と話した。
■都構想“心変わり”の理由に「連立政権入り」
【吉原功兼キャスター】以前も、『もう挑戦しない』とおっしゃいました。また挑戦というふうに踏み切りましたよね。変わることはありますか?
【吉村代表】「確かに6年前、松井さんと一緒に住民投票やって、その時本当に心も折れて、『もうこれで終わった。もう僕が目指すことはない』と正直にその時の気持ちを言いました。
その時は本当にそう思ってたわけですけども、6年間で知事・市長タッグでいろんな改革、まちづくりをし、万博もやり、そして大きく変わったのが、連立政権に入って、高市さんと一緒にやることになったんですね。
その時、普通だと絶対ありえないんですけど、『副首都法案』がまさにもう目の前に現実に迫るところまできました。
いまは与党でもありますから、そうなってくると、『副首都をやるにふさわしい自治体』ってどうだろうと思ったら、僕は府と市が1つになって、強力な自治体。これが今は東京都だけですけど、『挑戦するタイミングだろう』と判断したので。
自分が過去6年前に言ったことと違うことをしていることも、恥を忍ぶわけですけど、『大阪の未来を考えると絶対にやるべきだ』と思ってダブル選挙をやった」

■「副首都」と「都構想」の違いは?
「大阪都構想」は大阪市を廃止して複数の“特別区”に再編するもので、府と市の「二重行政」の解消が見込めるとされている。
また、「副首都構想」は、東京の政治や行政機関がストップした場合に備えるもので、災害時のバックアップや一極集中の解消が期待できるとされている。
【吉原功兼キャスター】副首都構想と大阪都構想も一緒になって進めたいから、スピード感を持ってやってるということですか?
【吉村代表】「そうです。副首都構想なんか絶対できなかったことですから。
ある意味国家的な改革になるんですけども、これは災害時のバックアップと一極集中の解消となってますが、もう1個は経済の成長なんです。
東京一極に全部頼り切りだけど、ちゃんともう一極作ろうと。あるいは、複数成長する極を作って、そこで生まれた子供たちが自分の目標とか夢とかを、東京行かなくても叶えられるような、そんな経済圏を作っていきましょうよっていうのが大きな目標としてあって。
まさにそれがこの『副首都構想法案』に入っているので、ならば『府と市が1つになった強力な自治体を作って、それにふさわしい自治体を作りましょうよ』というのが、僕の中の考え」

■「福岡」との違いは?
一方、副首都構想に福岡も手を上げようという話がある。
【江口茂デスク】福岡は大阪都構想のような特別区じゃない方法で副首都になろうとしています。あえて、過去2回否決された「大阪都構想」それでもやらないと副首都にはなれないというふうにお考えですか?
【吉村代表】「副首都になれるかなれないかだけで言うと、都構想というパターンが1つ、もう1つは連携協約という2パターンがあるので、福岡は連携協約を検討しようかとなっています。
ただ福岡と大阪は違うところがあって。福岡は経済圏で言うと、大阪市が大体2.5倍ぐらいの経済規模なんですよ。でも、面積でいうと福岡が1.5倍ぐらい広い。
でも大阪って大阪市がめっちゃ狭くて、でも経済は広がっていて、大阪府は全国で2番目に狭い都道府県で、二重行政であったり色んな問題が生じてきた。
なので我々は、『二重行政も止めて府と市が1つになる成長戦略をつくっていこう』と10年間やってきて、大阪都構想が必然的に生まれてきたわけです。
大阪の事情もあると思うので、大阪が本気で東西二極の、日本を引っ張るような成長エリアをつくるのであれば、府・市バラバラじゃなくて、1つの自治体を作っていくべきだというふうに思います」

■一枚岩になれない維新「どっちが正しいとかはない」
このタイミングで「大阪都構想」を再度掲げることについては、維新の大阪市議団が慎重な姿勢を見せていた。
関西テレビ・加藤さゆり記者は、「市議団の幹部はまだ納得をしていないと思う」と維新関係者への取材をもとに指摘した。
【加藤さゆり記者】これは吉村さんが続投を表明した後に聞いた話です。
(吉村代表が)『いいタイミングだ』と思っている中で、まさかここで市議団が『ノー』と表明された、その当時の心境はどんなお気持ちだったのか?
【吉村代表】「市議団の中でも賛成でやっていこうって人もたくさんいるわけですよ。40人以上いますから、いろんな意見がある中でまとめていかなきゃいけない。
これも政治集団なので、簡単ではないですよ。でもその中でまとめていこうというのでいま議論してるというところ。もちろん市議団の中には『いまじゃなくて、来年の統一選をまたいで、時間かけてやったらいいじゃないか』という意見もあります。
その意見は、僕も否定はしないです。どっちが正しいとかはないと思うんです。
もし市議団の多数が『またいでいきましょう』となれば、それは政治判断だと思うし、それが間違ってるわけでもない。
ただ、僕はそれで新しく選挙で選ばれるのであれば、その人たちが決めていくべきだと思うし、僕自身は新しいリーダーに委ねたい」
(関西テレビ「newsランナー」2026年5月19日放送)

