閉山中の富士山での遭難をどう防ぐのか?救助費用の有料化や入山規制の強化を求める声が高まる中、足を踏み入れる登山者の思いは。
富士山・須走口5合目の山小屋・東富士山荘。
5合目までの県道が開通した4月24日に営業を始めましたが、山小屋から数百メートル登った先、山頂へ向かう登山道は現在も通行禁止です。
しかし…
東富士山荘・米山千晴 代表:
けさもスキーを担いだ人が2人。外国人の登山者が4人
閉山期間でも連日のように見かける登山者の姿。
後ろめたさもあってか、中には山小屋関係者の目を避けるようにして登っていく人もいるといいます。
気象条件が厳しくなる閉山期間の富士山。
危険が伴うのは登山者だけでなく救助する側も同じです。
県は毎年閉山期の登山自粛を呼びかけていますが、2026年も4月に滑落したとみられる30代の男性が死亡しました。
富士宮市・須藤秀忠 市長(5月11日):
もし二次遭難が起きたら、その(救助隊員の)家族も我々も上司も、ましてや市長という立場では我慢できない。怒りになっていく
地元・富士宮市の須藤市長は救助の有料化など、閉山期間の遭難を防ぐ対策の強化を県に求めています。
どんな思いで閉山期の富士山に入るのか…山から下りてきた登山者に聞いてみると-。
登山者:
(Q.後ろめたさはある?)そんなにはない
登山者:
いま閉山期間であることはわかっているので、少しはどうかなという気持ちはあるけど罪悪感を持っているわけではない
県外から訪れたという3人。
このうち1人が2026年にヒマラヤ登山を予定しているため、トレーニングで富士山に入ったといいます。
登山者:
富士山はみんなのもの。静岡県だけのものでも山梨県だけのものでもない
登山者:
(Q.直接自粛を求められたら?)こういう準備をして自己責任でやっているので、登らせてもらえませんかと
この日も天候を確認したうえで登山をしていましたが、1人が靴擦れをしたため途中で引き返してきたということです。
救助の有料化には賛成で、登山を許可制にすべきだと考えています。
登山者:
技術を学んでいる人も全部ダメとなるのは悲しい。登山自体がマナーの悪いものになるのは嫌
登山者:
入山禁止ではなく、「この時期は許可がいります」と。許可申請しないと条例違反で罰金があるというやり方がいい
山小屋の関係者も救助の有料化とともに「事前申請を導入するべき」と話します。
東富士山荘・米山千晴 代表:
登る人は責任をもって、何かあれば自己責任。救助は有償。そうすれば本当のプロフェシャルしか登らない
山梨県は2019年、12月から翌年の3月までのいわゆる厳冬期に富士山の標高3000メートル以上や南アルプス、八ヶ岳の一部へ行く場合は登山計画書の提出を義務付けました。
一方、静岡県はこうしたルールがありません。
担当者は「無謀な登山を抑止する1つの策として救助の有料化とともに議論している最中」と説明しています。
登山の自由と安全対策のための規制。
閉山期間の富士山の遭難をどう減らすのか、県はまだ具体的な対応策を示すことができていません。