福島県で生徒が死亡したバスの事故を受け、道教委は5月12日、学校に対し部活動での移動を安全に行うよう緊急の通知を出した。
福島県で部活動の生徒を乗せたバスがガードレールに衝突し高校生1人が死亡、20人が重軽傷を負った事故。

警察は運転手の男を逮捕し、違法な「白バス」行為にあたるか調べている。
「部活動の実施に対して生徒の安全確保が重要。そのうえで部活動などを通して生徒がスポーツ・芸術・文化活動に取り組む機会を確保することが重要。この両立を図らなければならない」(松本洋平 文科大臣)
この事故を受けて道教委は5月12日、部活動での移動について道立学校に緊急の通知を出した。

公共交通機関での移動を原則としたうえで、貸し切りバスを利用するときは校長が事前にルートや契約内容を確認することなどを求めている。
道内では、2024年新ひだか町の中学校の部活動で卓球部の顧問が居眠り運転で車を街路樹に衝突させ、生徒が大けがをする事故が起きていた。
札幌市では部活動の移動で違法な「白バス」行為が行われ、問題となったことがあった。

28年前の事件。
「この会社は去年4月から10月まで大学・高校など8校の運動部から依頼を受けていました」
「教師も白バスと知っていながらも正規の業者の半額以下と安い料金のため、口コミなどで広まり、ついつい依頼していたということです」(いずれも1998年の放送)
摘発されたのは自動車リース会社で、この会社に依頼していたほとんどが強豪校の運動部だった。
背景には部活動でかかる費用の負担が大きくなっていたことがあった。
以前、道内の学校で野球部の顧問をしていた元教員はUHBの取材に対し…

「部活費は常に足りず、支払いを依頼している保護者の負担を増やしたくない気持ちがあった。部を強くしたい気持ちで練習試合などを設けても、移動で費用がかさむことになり複雑な気持ちだった」(以前野球部の顧問をしていた男性)
学校の安全管理に詳しい専門家は…

「お金を削減することは安全性を削減すること」
「多少リスクがある方法を取らざるを得ないことが背景にある。最低限の約束事をガイドライン、ルールにして示していくことが求められる」(いずれも常葉大学 木宮敬信教授)
今回の福島県でのバス事故を受け、部活動の移動における安全確保の課題が浮上している。
現状、レンタカーの使用や教員、保護者による運転は頻繁に行われており、その背景には複数の要因があるという。 専門家によると…。

まずは、運転手の不足。特にコロナ禍以降は運転手の数が減少しており、部活動では急な練習試合などがあり、事前に運転手を確保することが難しい状況だ。
続いて、費用の問題だ。部活動の予算が少ないため、貸し切りバスの利用が困難なケースがあるという。
H.CS観光によると、貸し切りバスの最低料金は5時間で3万400円からとしており、距離が増えていくと、さらに費用が増えていく。
さらに、部活動の遠征時の移動に関する具体的なガイドラインが存在しないため、各学校が個別に判断しているのが現状だという。

この状況を受け、専門家は「『子どもの安全のためのガイドライン』を作ることから始めるべき」と指摘。
そのガイドラインには、車内でのシートベルト着用を義務付けることや、運転手の休憩時間をしっかり確保することなど、最低限の安全対策を盛り込む必要があるとしている。
生徒たちの活動を制限することなく、いかに安全を確保していくかが問われている。