偽造IDカードを使ってアメリカ軍基地に違法に侵入したなどの罪に問われている大手商社の元社員水野圭隆被告(46)の初公判が横浜地裁で13日、開かれました。
一時はスパイ疑惑もささやかれた事件の背景にあったのはスパイ行為ではなく、アメリカ陸軍への「強い憧れ」でした。
水野被告は2025年10月、神奈川県のアメリカ海軍横須賀基地に正当な理由なく侵入し日米地位協定に伴う刑事特別法違反の罪などに問われています。
13日、横浜地裁で行われた初公判で水野被告は起訴内容について「間違いありません」と認めました。
検察の冒頭陳述によりますと、基地への侵入にはインターネットサイトで発注した偽造IDカードを使っていて名前の欄には英語で「MIZUNO YOSHITAKA ALEX(ミズノ・ヨシタカ・アレックス)」と記載されていました。
アレックスはアメリカ留学中の洗礼名だったということです。
水野被告は子供の頃からアメリカ陸軍に憧れを持ち、アメリカの大学に在学中に陸軍の幹部候補生プログラムを5年間受講し、軍の所属を目指していました。
しかし、2001年のアメリカ同時多発テロ事件で制度が変わり、外国人の陸軍所属ができなくなり断念。
日本に帰国して大手商社で勤務を始めたものの思いを捨てきれず数年前からアメリカ政府と防衛装備品の仕事をするようになり「基地に入りたいという思いが再燃した」と動機について明かしました。
また、横須賀基地だけではなく座間基地や厚木基地にもあわせて30回以上侵入していて「アメリカの生活の延長線上にあると錯覚してしまった」と説明しました。
さらに妻の偽造IDカードも作成し、妻とペットと一緒に基地に入り宿泊施設やドッグランを利用したこともあるということです。
理由について問われると「自分の好きなところを妻にも経験して欲しかった」と話しました。
妻や両親などにも「アメリカ陸軍の軍人」と偽っていた水野被告。
最後に「これからは妻を支えて人生をやり直したい」と話し裁判は即日結審しました。
検察側は拘禁10カ月を求刑し、弁護側は執行猶予を求めていて、判決は6月18日に言い渡されます。