岩手県大槌町で発生した山林火災から5月13日で3週間です。
いまだ「鎮火」に至らず影響は深刻です。
現地を取材すると住民が頼りにする避難所で、知っておきたいことがあることがわかりました。
4月22日、岩手県大槌町で発生した山林火災。
強風により火の粉が舞い飛び火し、焼失面積は1633haに上りました。
これは平成以降2番目の規模で、一時、町民の3分の1ほどに避難指示が出されました。
「避難指示を解除します」(防災無線)
約1週間後、数回降った雨により延焼の危険性が減り、避難指示は解除されました。
しかし、住民には新たな危険が迫っていました。
「避難指示が出ていたこの地区は土砂災害警戒区域になっていて、住宅のすぐ後ろまで斜面がきています」(中村真也記者)
今度は火災により樹木が減ったことで山の保水力が低下したとして土砂災害への警戒が呼びかけられました。
次々押し寄せる危機に現地の緊迫感は続いていました。
山林火災は、北海道でも人ごとではありません。
「現場の近くには車道や建物も確認できます」(本 貴憲カメラマン)
4月16日、根室市で発生した林野火災。
北海道によりますと約330haが焼け、令和に入り道内で最も大規模な火災となりました。
また、4月27日には十勝南部を震源とする最大震度5強の地震が発生し、後発地震への備えも呼びかけられました。
専門家は防災グッズに加え、改めて避難所も確認が必要だと指摘します。
「自分の家の近くの避難所がどの災害種別に指定されているか確認することが大事」(元札幌市消防局 川内佑紀さん)
寺のお堂迫る火これは岩手県大槌町で裏の山から延焼してきた火が寺のお堂の目の前まで迫った時の様子です。
「避難指示が出たということで必要なものを準備してこのお寺を出ました。お寺がもしかすると火災で焼失してしまうっていう覚悟を決めて避難しました」(吉祥寺住職 高橋英悟さん)
この寺は、津波が発生した際の避難所として指定されていますが、山林火災の今回は避難指示が出されました。
災害の種類によって避難する場所は違うのです。
「その一番大事なのは、どんな時にどこで発生しても、その場に合わせて対応できるとか、そういった知識を身につけるのが一番の備えなんじゃないかなっていう」(元札幌市消防局 川内さん)
岩手県大槌町で発生した山林火災の取材を通じて、避難所の選択が命を左右する重要性が改めて浮き彫りになりました。
取材した中村記者が現地に入ったのは、火災発生から約1週間後。
中村記者は「火を見ることはなかったんですが、焦げた山肌などから山林火災の凄まじさというものを感じました」と話します。
避難指示解除のタイミングで中村記者が訪れた大槌町赤浜地区には、東日本大震災を受けて整備された避難所がありました。
この避難所は高台にあるため津波や地震には対応していますが、今回のような大規模火災や土砂災害には対応していません。
実際に、一度この避難所に避難した住民もいたそうですが、すぐに指定された別の避難所に向かったということです。
避難所の種類はハザードマップで確認できます。
例えば、国土交通省が運営するサイトで北海道苫小牧市を見てみると…。
津波の場合の避難場所は学校など多数ありますが、樽前山が噴火するなど火山による災害の避難場所は、市街地から離れた場所に変わります。
避難所は命を左右する大切な場所です。
いざという時に冷静に行動できるよう、自分の住んでいる地域の避難場所と対応する災害の種類を、ハザードマップで事前に確認しておくことが重要です。