中東情勢の緊迫が、富山県の日常生活にも静かな波紋を広げている。石油由来の原料を使うごみ袋の仕入れが不安定となり、富山県立山町のスーパーでは発注量の半分しか確保できない事態が続いている。買い求める客は通常の2〜3倍に急増し、「段ボール買い」をする人まで現れた。

注文の半分しか届かない

富山県立山町にあるスーパーセンターシマヤ立山店では、富山市や立山町などで使われる指定ごみ袋の仕入れが不安定な状況が続いている。


ごみ袋の原料となるのは、石油を精製して得られる「ナフサ」だ。中東情勢の緊迫によってナフサの供給が滞り、メーカーからの出荷量が落ち込んでいる。同店の嶋田健志チーフは現状をこう語る。

「入荷としては入ってきているが、注文した数よりは若干減ったり、一部商品では入荷できないものも出てきている。原料が不足しているということで出荷の見通しが分からないというメーカーからの返答だ」
店側によれば、発注した量の半分ほどしか仕入れられないケースも出ている。
「まとめ買いしておかないと」 販売数は通常の2〜3倍
供給不安が広がるにつれ、店頭では買い占めの動きが加速している。直近約1カ月の販売数は通常の約2倍から3倍にのぼり、嶋田チーフは「多い人は段ボール買いしていく。ここまで販売数が多くなるのは予想外」と驚きを隠さない。

来店した70代の2人家族は「ごみ袋は結構使う。家庭菜園をしているのでごみが出る。今のうちにまとめ買いしておかないといけない」と話す。6人家族の70代は「1週間に5、6枚いる」と言い、「店で買えなくなったらどうすればいい?困る」と不安をにじませた。
こうした需要の急増を受け、店では在庫管理のために販売数の制限を検討している。
富山市「慌てないで」と呼びかけ

一方、富山市は市民に向けて落ち着いた対応を求めている。市によれば、中身が見える袋であれば指定ごみ袋でなくても収集できるとしており、「慌てないでほしい」と呼びかけている。
ごみ袋の不足は一見、日常の小さな問題に見えるかもしれない。しかし、石油を原料とするプラスチック製品が私たちの生活のいかに深いところまで浸透しているかを改めて考えさせられる出来事でもある。中東情勢の動向次第では、こうした生活用品の供給不安が長引く可能性もある。まずは自治体の情報を確認しながら、冷静な対応を心がけたい。
(富山テレビ放送)
