福島県須賀川市で70年以上続くパン店「TAMAKIYA」。日々“進化”を目指す3代目のあくなき探求心が、地域に愛されるパンを生み出し続けている。伝統を守りながらも、挑戦を続ける職人の想いに迫った。

深夜2時、夫婦の二人三脚

「BAKERSSHOP TAMAKIYA」。岩崎悠平さんと妻の茉里奈さんが、早いときで午前2時から作業を始める。
夫婦二人きり、黙々と休みなく続く作業。2人の原動力はパンへの愛に他ならない。

夜明け前から始まる作業
夜明け前から始まる作業
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「玉木屋」は70年以上前に悠平さんの祖父・繁さんが創業し、父・哲久さんが経営者として守り次いできた店。
幼いころからパン作りが身近にあった。「私は昔から何かを作るというのが好きだった。玉木屋を継ぐだろうなというのは思っていたので、絶対やるなら作り手としていたかった」と悠平さんはいう。

昭和25年ごろ 玉木屋
昭和25年ごろ 玉木屋

パン職人を目指して、21歳の時から5年間、埼玉県の店で修行を積み、2019年に須賀川市に戻った。

一番人気はクロワッサン

午前7時、完成した商品が少しずつ机を埋め尽くしていく。
ご当地パンとして人気の「ウルトラマンパン」に、リボンの形が目を引く「ドバイチョコレート風クロワッサン」など、その数なんと約90種類。

一番人気のクロワッサン
一番人気のクロワッサン

なかでも一番人気はクロワッサン。悠平さんは「折込といって、バターと生地を何層にも重ねる。それをきれいに見せるというのが得意で」と話す。

初出場で全国3位の快挙

日々“進化”を追い求めるなか、2025年に新たな挑戦の一歩を踏み出した。それは世界の舞台へとつながる大会への出場。

BREAD IN THE CITY BAKERY WORLD CAP 日本代表選考会
BREAD IN THE CITY BAKERY WORLD CAP 日本代表選考会

「妻が今しかできないだろうし、年取ってからやるものでもないから、体力あるうちにやるなら今だよと言われて。背中を押されて一緒に出た」と悠平さんはいう。
わずか3カ月の準備期間で、新作16種を作り上げ臨んだ国内予選の結果は3位。世界大会の出場こそ叶わなかったが、初出場でのこの結果は自信につながった。

パンの可能性は無限大

新たな挑戦で、気づいたことがあるという。
「パン作りは可能性が無限。パンって一言で言っても色々あって、一生かかっても全てのパンっていうのは、分からないのではないのかなと。大会に出て引き出しが増えたというのはある」と悠平さんは語る。

岩崎悠平さん
岩崎悠平さん

開店を迎えた午前9時。香ばしいにおいと、こんがりとした焼き色のパンが店内に並ぶ。
買い物客は「一番はパンの種類が豊富で、どんどんおいしくなっていく。同じパンでも改良される。パンの硬さとか小麦の味の感じが、どんどん変わっていくのでそれが楽しみ」と話す。

地元にも愛されるパン店

トレーにいっぱいのパン。そのひとつひとつにTAMAKIYAの伝統と岩崎さんの思いが詰まっている。
悠平さんは「地元に愛されるパン屋さん。近所の方に食べてもらうパンというのは大前提で。うちだけではなく、地域が活性化してもらいたい。大好きな須賀川へ色んな人に来てもらいたいので、私も今後も進化し続けたい」と語った。

約90種類も店頭に並ぶ
約90種類も店頭に並ぶ

愛する須賀川においしい笑顔を!理想のその先にある、まだ見ぬパンを追い求める旅はこれからも続いていく。
(福島テレビ)

福島テレビ
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