歴史と実績を積み重ねてきた秋田・大館市の大館鳳鳴高校放送部は、言葉の力で思いを届けることに真剣に向き合っている。発声練習から映像制作まで、自分たちの表現を磨き続ける部員たちの素顔を追った。
一音一音に向き合う放送室の日常
放送室に響く声は、どれも丁寧で真っすぐだ。
部員たちは一音一音を確かめるように、繰り返し発声練習を行う。その姿勢は、歴史ある放送部が培ってきた積み重ねそのものだ。
顧問の田村英子教諭は、「自分が表現したいことを工夫するのはもちろん、聞く人や見る人にどう伝わるかを想像しながら、より良い伝え方を身に付けてほしい」と語る。
言葉は発するだけではなく、届いて初めて意味を持つ。その考え方が部の根幹にある。
明るく率直に支え合う仲間たち
部員は2、3年生8人に、入部したばかりの1年生1人を加えた9人。放送室は笑顔と声かけが自然に交わされる場所だ。
1年生の佐藤琉仁さんは、「放送部に入ったからには全国大会に行きたい。先輩を頼りながら、3年間楽しく活動したい」と目標を語る。
部員同士は互いの表現に意見を出し合い、良い点も課題も率直に伝える。その積み重ねが、個々の表現力とチームの結束を高めている。
協力して生み出す「伝わる作品」
3年生で部長の荒川蓮さんは、「先輩・後輩に関係なく、困ったら助け合い、意見が欲しい人にはみんなで考える」と部の姿勢を話す。
放送部の活動はアナウンスにとどまらない。
大会では、テレビ・ラジオのドキュメンタリーや創作ドラマの制作にも挑む。構成から撮影、録音、編集までを自分たちで行い、現在は6月の県大会に向けた作品制作の真っ最中だ。
荒川部長は、「一番大事なのは、誰にでも分かるように伝えること。初めて見た人に意味が伝わる作品でなければならない」と強調する。
全国の舞台へ それぞれの思い
2026年夏に秋田で開かれる第50回全国高校総合文化祭(あきた総文2026)の朗読部門には、2人の部員が出場を決めている。
2年生の木村太一さんは、2025年10月に入部し、わずか1カ月後の大会で総文祭出場を決めた。「青春を題材にした作品なので、秋田県民にも、そうでない人にも、甘酸っぱいあの頃を思い出してもらえる朗読をしたい」と語る。
3年生の横山歩さんは2年連続での出場だ。「総文祭は、同じことに打ち込む他県の人と出会えるのが魅力。開催県として、来てよかったと思ってもらえる大会にしたい」と意欲を示す。
声、そして作品に思いを込めて。その思いを確かに届けるために、大館鳳鳴高校放送部の活動はこれからも続いていく。
(秋田テレビ)
