最大12連休となる人もいるゴールデンウィーク。多くの観光客の来県が見込まれる中、能登半島では復興を後押しする新たな観光スポットが誕生した。ポケモンがデザインされたマンホールのふた、通称「ポケふた」が、能登半島地震で大きな被害を受けた6つの市と町に設置され、ゴールデンウィーク初日から一般公開が始まったのだ。「輪島塗を連想させる赤や黄色」でデザインされたふたをはじめ、それぞれの土地の特色が色濃く反映された6枚は、早くも訪れる人々を引きつけている。
「世界に1つだけ」のポケふたが能登に

ポケふたとは、各地域の特色やポケモンを組み合わせてデザインされたマンホールのふたのことだ。現在、日本全国450カ所以上に設置されており、その土地ならではのデザインが施されているため、「世界に1つだけ」のポケふたを求めて各地を巡るファンが後を絶たない。
今回、能登半島では6カ所に新たなポケふたが設置された。いずれも2024年1月の能登半島地震で大きな被害を受けた市と町であり、ポケモンの力を借りながら地域の復興を後押しする取り組みとして注目を集めている。
輪島のポケふた──地域の伝統工芸をデザインに

最初に紹介するのは輪島のポケふただ。輪島塗を連想させる赤と黄色の鮮やかな配色が施されており、一目で「輪島らしさ」が伝わるデザインとなっている。輪島塗は国内外に知られる石川県の伝統工芸であり、その色彩と美しさをポケもンのデザインに落とし込んだこのふたは、地元文化を発信する象徴的な存在となりそうだ。

金沢市から訪れた女性は「その土地土地のデザインがすごく反映してくれているので、それがすごいなと思って全国を回るのが好きです」と話し、志賀町、輪島、珠洲と能登を広く巡る予定を立てていた。こうした「ポケふた巡り」のファンにとって、能登の6カ所は一度に複数のポケふたを効率よく巡ることができる絶好のコースとなっている。

珠洲市のポケふた──見附島と縁結びのポケモン

珠洲市に設置されたポケふたには、沖合にそびえる見附島と、縁結びにちなんだポケモンたちが描かれている。見附島は「軍艦島」とも呼ばれる珠洲市のシンボル的な景勝地だが能登半島地震で大きく形を変えてしまった。そんな見附島がある海岸は、縁結びの鐘があり、えんむすびーちとも呼ばれている。

このため、珠洲市のポケふたには、むすびつきポケモンのニンフィアと、ラブカスがそのデザインに登場している。縁結びという土地の言い伝えとポケモンの個性を結びつけたこのデザインは、地域の魅力を凝縮したものといえる。
能登町のポケふた──ノトキリシマツツジとブルーベリー、そして流れ星

能登町の柳田植物公園に設置されたポケふたは、地域の自然と特産品をふんだんに取り込んだデザインとなっている。ちょうど見頃を迎えているのときりしまつつじと、能登町の特産品であるブルーベリーが描かれており、季節感あふれる仕上がりだ。

さらに、能登町のポケふたには流れ星ポケモンの「メテノ」がデザインされている。これは、能登町に星の観察館「満天星」があることにちなんだものだ。地域の施設や文化をポケモンの世界観と巧みに融合させた点が、このポケふたの大きな特徴といえる。ポケふたのデザインには単なる「かわいさ」だけでなく、その土地の歴史や自然、産業が丁寧に織り込まれており、訪れる人々に地域への興味と愛着を芽生えさせる仕掛けになっている。

穴水駅のポケふた──のと鉄道とカビゴンが出迎える
能登を巡る旅の最後に訪れたのは穴水駅だ。ポケモンが出迎えてくれるこの駅に設置されたポケふたには、のと鉄道と人気ポケモンのカビゴン、そしてプラスルとマイナンが描かれている。のと鉄道は能登半島を走るローカル鉄道であり、地域の移動を支える大切な存在だ。ポケモン列車も走っていて、その鉄道をモチーフに、親しみやすいポケモンたちと組み合わせたデザインは、鉄道ファンにもポケモンファンにも刺さる一枚となっている。

穴水駅という「玄関口」にポケふたを設置することで、能登を訪れる観光客を最初から最後までポケモンが温かく迎え、見送る演出になっているともいえる。

5月には和倉温泉に「ポケモン足湯」もオープン
ポケふたの公開にとどまらず、能登ではさらなるポケモンコンテンツの展開も予定されている。5月12日には、和倉温泉にポケモン足湯がオープンする予定だ。温泉地として知られる和倉温泉にポケモンの世界観が加わることで、子どもから大人まで幅広い層が楽しめる観光スポットとして注目を集めそうだ。

能登半島地震からの復興はまだ続いているが、ポケモンという国民的なコンテンツを活用した取り組みは、観光客を呼び込み、地域経済を活性化させる力を持っている。ゴールデンウィークという絶好のタイミングに合わせてポケふたが公開されたことで、被災地への関心を高め、能登を訪れるきっかけづくりにもつながるだろう。

(石川テレビ)