与野党各党は3日、日本国憲法施行から79年を迎えた憲法記念日にあたり談話などを発表した。

憲法の存在意義や、戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法9条の維持・改正をめぐっては、各党の立場が特に大きく分かれた。

自民党は党の声明の中で、「憲法はあるべき国の姿を示す国家の基本法であり、国民一人一人に密接に関わるものだ。今こそ主権者たる国民自らの手で時代にふさわしい形へと改めなければならない」と指摘した。

その上で、「自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実」の4項目の憲法改正の条文イメージを示してきたことに触れ、「議論のための議論ではなく、前進するための議論を行い、改正の早期実現に全力で取り組んでいく」と強調した。

与党となった日本維新の会は、吉村代表が談話を発表し、「憲法は約80年、一度も国民の審判を経ることなく、時代の大きな変化に十分対応できているとは言い難い」として、特に憲法9条の改正と緊急事態条項創設の必要性を訴え、「憲法改正は国家百年の大計で先送りは許されない」と国民投票の実施を訴えた。

中道改革連合は小川代表と階幹事長の談話で、憲法は広く国民の理解と支持を得てきたと指摘。

その上で、「憲法の基本原理を大切にし、権力の乱用を防ぐ立憲主義を堅持していくと誓う」と強調し、「時代の変化に合わせて改憲論議を深めるべきだと考えている。それは改憲そのものを目的とする無責任な論議ではない」として、国民にとって必要かつ有用な憲法改正は何かという視点での論議の必要性を訴えた。

立憲民主党は水岡代表談話で、「戦争の放棄と戦力の不保持を明記した第9条を擁する平和憲法は国際社会からも高く評価され、戦後日本の平和と発展を支える礎となっている」と指摘し、「与党は憲法改正の動きを加速させ、高市早苗首相は1年以内に国会発議のめどをつけたいと発言した。改憲ありきの議論を拙速に進めることに強い危機感を覚える。論憲の力で、拙速な改憲論に対峙していく」として「日本国憲法を今後も大切に守り育てていく」と訴えた。

国民民主党は玉木代表の談話で、「参院選の合区解消も論点となる。これまで衆参両院の憲法審査会で議論の積み上げのあるテーマに絞って具体的な条文づくりに取り組むことが、改憲に向けた現実的アプローチだと考える」と指摘した。

その上で「憲法9条については、これまで9条が果たしてきた役割にも配慮しつつ、単に自衛隊の組織名を明記するのではなく、9条2項に規定する武力との関係を整理するなど、本質的な議論を深めていかなくてはならない」と訴えた。

参政党は神谷代表の談話で、党としては憲法を一から創り直す「創憲」の立場をとっているとして、「憲法改正そのものには賛成だが、改憲であればすべてよしとするのではなく、日本の国益や反グローバリズムの観点から内容を一つ一つ是々非々で判断する立場だ。危機的な状況に乗じて、拙速に与党の改憲案の実現を図るような進め方は許されない」と与党に釘を刺した。

チームみらいは党の声明で、「テクノロジーの進展は、憲法論議の在り方そのものを変える可能性を開いている。デジタル民主主義の実践を通じて、憲法が掲げる国民主権の理念を、現代にふさわしい形で具現化できるよう取り組む」として、憲法の3つの基本原理を堅持しつつ、議論を積み上げることが大切だとの認識を示した。

共産党は田村委員長の談話で、「政権や与党が改憲をあおることは許されない。9条に自衛隊を書き込めば最後の縛りが破られ、無制限な海外派兵など戦争国家への大変質となる。憲法改悪を許さない戦いの先頭に立って奮闘する決意だ」と強調した。

れいわ新選組は党の声明で、「今ある憲法を守らない者が、憲法を変えようとするな。自民は改憲を死活的使命と位置付け、維新と共に緊急事態条項創設を糸口に議論を加速させようと必死だ。発議の危険が迫っている。みんなでひっくり返そう」と訴えた。

公明党は党のアピールとして、「自民と維新の連立政権は衆院で3分の2を超える議席を有し、改憲に前のめりだ。憲法は国家権力の不当な介入から国民の人権、暮らし、生命を守るための最後のとりでだ。その厳粛な重みを忘れてはならない」と主張した。

社民党は福島党首の声明で「高市政権は、殺傷能力を有する武器輸出の全面解禁に、国会審議もほとんどなく踏み切った。日本が死の商人国家になるような事態はあってはならない。憲法9条と共に平和的生存権を守るために取り組む」と訴えた。

日本保守党は党の談話で、「平和な日常は一瞬で崩壊し得る。憲法9条改正は待ったなしだ。できなければ私たちの命、わが国の存立は危うい。先人が守り抜いてきた日本国を後の世代に渡すため、占領下で作られた憲法を一刻も早く改正しよう」と訴えた。

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