警察官をかたって金をだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害が長野県内で増えている。どんな手口なのか、実際に被害にあった女性から聞いた。
「ニセ警察詐欺」被害額3.7倍
被害に遭った女性:
「悔しいです。見破れなかったのが」
長野県内に住む20代の女性。
2026年3月に警察官を名乗る男に、約114万円をだまし取られた。
被害に遭った女性:
「警察の方だっていうのを信じきってしまっているので、何も考えずにやっちゃってました」
長野県警のまとめによると、2026年の特殊詐欺被害は3月末までに124件、約9億9500万円で、過去最悪だった2025年を上回るペースで増えている。
(2025年同期比 +44件 +約5億500万円)
その中で目立つのが警察官などをかたり、捜査名目で金品をだまし取る「ニセ警察詐欺」だ。
その被害は、3月末までに25件・約2億9900万円で、2025年の同じ時期に比べ、被害額は3.7倍に増えている。
県警総合犯罪防止対策室・大谷竜司室長:
「ニセ警察詐欺が非常に深刻な問題になっている。捜査機関を語って、あなたの口座が犯罪に使われているとか、共犯者として逮捕されるというようなことで、捜査だとか優先調査といった名目で金銭を要求する手口になります」
20代女性が114万円の被害 手口は
被害にあった女性に、その手口を聞いた。
2026年3月、携帯電話に見知らぬ番号から電話があった。
携帯電話販売会社を名乗る男からで、「携帯電話の関係でアサダという男性から確認の連絡がいく」などと言われた。
「大阪府警のアサダ」から電話
その後すぐに、別の番号から電話があり、「大阪府警のアサダ」だと名乗り、「ミャンマーの詐欺事件の証拠の中に、あなた名義の銀行口座の情報がある」などと話し、詐欺事件の容疑がかけられていると説明してきた。
被害に遭った女性:
「こちらに圧をかけているというか、疑いが自分にかかっているって私にわからせようとする感じの声でした。すごく不安に思って、何か私、しちゃったのかなと思って、記憶をさかのぼったけど特にないから余計に不安で」
「容疑を晴らすため」と親身に
女性は「身に覚えがない」と伝えたところ、男は「容疑を晴らすため」などと言い、今度は親身になって話し始めた。
被害に遭った女性:
「容疑を晴らすためにって言ってくれていること、すごく頼もしく思えてしまって。若者の未来をそんなことでダメにしてはいけないとか言ってくださっているから、こちらも誠意をもって対応しなくちゃいけないなって思って」
「無実の証明に必要」と入金を要求
男は「無実を証明するため、事件の被害状況を再現する必要があり、お金がかかる。金は後で返す」などと言い、暗号資産のビットコインを購入し、口座に入金するよう要求した。
また「極秘捜査のため口外しないように」と言い、メールで秘密保持契約と書かれた書類が送られてきた。
メールの送信元は「大阪110」。
機密漏えいすると罪に問われることや、大阪府警法務担当などと書かれていた。
入金後、警察に相談して気づく
こうしたやりとりで女性は相手を信用してしまい、11万円分のビットコインを購入して入金。
さらに、その後も男からの要求があり、103万円分も追加購入して入金。
被害に遭った女性:
「ずっと信じ切ったままで妙な安心感がずっとあって、この人の言う通りにしていたら大丈夫だみたいな変に信頼をおいてしまって。(今思えば)気が動転してしまっていたなと思います」
入金後も不安な気持ちがあった女性は、2日後の朝、警察に相談。詐欺被害に気づいた。
被害に遭った女性:
「ただただ悲しかったです。あんなに親身になってくれていた人たちが、うそをついていたんだってすごく悲しかった。学校の学費の支払いのために貯めてたお金だったので、学校は考えなきゃねって話になっているので、そのために貯めていたお金なのにハアーというのはあります。できればお金返ってきてほしいし、捕まる方向でいってほしいけど、難しいところもあるんだろうなと思って」
20~40代の被害が半数
県警によると、ニセ警察詐欺の被害は20代から40代が半数を占めるなど、若い世代にも広がっている。
SNSを使って接触してくるケースや、テレビ電話などでニセの警察手帳などを見せるケースもあるという。
警察が金銭の要求をすることはない
また、自宅にニセの「逮捕状」が郵送されてくる新たな手口も確認されている。
県警総合犯罪防止対策室・大谷竜司室長:
「警察がSNSで連絡してきたり、テレビ電話を使って連絡することは絶対にありえませんし、捜査や調査の名目で金銭の要求をすることも絶対にありません」
県警は、ホームページやスマホのアプリで詐欺の手口を公開。
また、詐欺電話や国際電話をブロックする対策アプリの活用などを呼びかけている。
