長野市で終戦間際に旧海軍が掘った地下壕を管理する団体が、内部の公開を中止しました。沖縄県で修学旅行中の高校生が死亡した事故を受けての決断です。

4月10日に内部の公開中止を決めた長野市安茂里小市の「大本営海軍部壕」。

1945(昭和20)年に旧海軍が着工し、100メートルほど掘ったところで終戦を迎えました。当時、善光寺平一帯で進んでいた「本土決戦」準備の一環と見られています。

地元の有志で作る「昭和の安茂里を語り継ぐ会」では、「戦争遺跡」としての壕の価値に注目し、保存や継承に取り組んでいます。2021年からは希望者に一部を公開してきました。

しかし―。

事務局長の土屋光男さん:
「理由は辺野古の件です」
「性質は違うけど見学者に事故があったりしたら元も子もない」

3月、沖縄県の辺野古沖で修学旅行中の高校生を乗せた船が転覆し、女子高校生と船長の2人が死亡しました。

地下壕は、80年前の素掘りの跡を直に見て当時の作業を実感できるのが大きな魅力です。地質の専門家からは「簡単には崩れない」と助言されたということですが、「人命が最優先」として、公開の中止を決めました。

土屋光男事務局長:
「本当に苦しみの決断です。とにかく安全第一ですから、非常に残念ですが公開中止はいたしかたない」

「昭和の安茂里を語り継ぐ会」では、当面は入口からの見学にとどめ、隣接する資料館で内部の映像や写真を見てもらうことにしています。将来の見学再開に向けた壕の補強については今後検討したいということです。

長野放送
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